元テレビ朝日社員の玉川徹氏は26日、同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。台湾有事をめぐる高市早苗首相の国会答弁に中国側が激しく反発している問題をめぐり、「世の中には『それを言っちゃあ、おしまいよ』というのがある。思っていても言っちゃいけない」と述べ、高市首相の踏み込んだ答弁を疑問視した。
番組では、「強い反発を続ける中国の真意」をテーマにパネルコーナーで特集。高市首相の国会答弁以降の中国側の反応や、台湾との関係について、1972年の中国との国交正常化以降、日本の歴代政権が「あいまい戦略」で半世紀以上、乗り切ってきた実態などを伝え、今後の日中関係の課題などについて専門家の解説をまじえて報じた。1960年当時は日本や米国も台湾と国交があったが、日本は1972年の中国との国交正常化で台湾と断交しながらも、中国の台湾に対する立場は「十分理解し、尊重します」と、外交上法的には意味のない言葉を使って対応してきたと伝えた。日本の歴代政権は、台湾有事が「存立危機事態」に当たるか明言を避け、米国も中国が台湾に侵攻した場合に台湾を防衛するか意図的に明言せず、日米がともに「あいまい戦略」を取ってきたとも報道。番組MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一は「こういう非常にデリケートな状況があるところでの、今回の(高市首相の)発言でしたということになります」と説明した。
玉川氏は、こうした歴史を踏まえて「(台湾との関係は)ガラス細工のような、もろい土台の上に乗っかっている」と指摘。「もともと、日米安保条約ができた時と、日中、米中が国交を結んだ時とは、時期も状況も違う。アメリカは中国との国交樹立の時、いろんな理由があったと思うが、大きな理由は、これから大きくなっていく中国の市場をアメリカも取りたいというのがあったし、日本も同じですよ。日本は今、世界の中で中国との貿易が最大。中国だってそれで経済を発展させて、ウィンウィンでやっていきましょうと。だから、台湾の問題はある種、あいまいにして、ちょっと棚上げする知恵を(日米中の)3者でやっていきましょうよという、そういう『外交の知恵』なんですよ」と指摘した。
その上で、「(台湾の問題は)あいまいなままでやっていくのは3カ国の知恵だったのに、そこを急に日本が、あいまいにしてきた部分を突出して、違う発言を総理がしてしまった」と、今回の高市首相の発言に言及。「我々、国民が言うのはいいんですよ。台湾有事になったどうしようと。でも、総理大臣が言うのは、話は別ですから」と、いさめるように述べた。
また、「チームとして練りに練った上であの発言をしているなら、その後の日本の対応も違うと思う。練りに練った話ではないことを(高市首相が)ぽろっと言ったというところが真実でしょ? それで今、どうしようという話になっている」と述べ、「微妙なガラス細工のような土台に乗っかって、それでもみんなで得をしましょうよというところでやってきた。世の中には、それを言っちゃあおしまいよ、ということがある。思っているのかもしれないけれど、言っちゃいけないということがあるので、そういうふうな状況なのではないかと思いますね」と訴えた。

