つくば中央シニア(東関東支部・茨城ブロック)

「野球嫌いを出したくない。主役は子どもです。大人が自分の欲求や名誉のために罵声を浴びせ、機械のように子どもを動かす。誰のための野球なのか」

堀田哲也監督は10年前、野球の普及と子どもの自立を目的にチームを立ち上げた。筑波大大学院の野球研究室での学びを基に、選手の主体性を重んじやれることは全て選手が行い保護者の負担は最小限にとどめる。

「ただ、少し勝ち始めると私も欲が出てきて、選手たちに指導を押し付けるように。立ち上げ当初の目的を見失い、野球嫌いを生み出していたのです」(同監督)。3年前に反省して原点回帰。「大人(指導者)の勝ちたいを押し付けない」を戒めにしている。

選手への向き合い方を改めた結果、現在2年21人、1年32人の大所帯に。何ごとも選手が考え行動することが基本で、ノックは選手が打ち、試合でのサインもほとんど出さない。「こうしなさいという指導はしない方針」で、練習試合では全員に出場機会を準備する。

主将は田中羚雄が務めるが、まとめる人の気持ちを知るため、みなが1回は主将を経験する。「なので全員が主将ですね」(同)。つくばから、新しい風が吹いている。