3月1日から2021年度向け新卒者就職説明会が解禁となった。転換期を迎えつつある就職戦線の現状について、人事採用コンサルタントで駒大経済学部非常勤講師の川村稔さん(58)にうかがった内容を3回にわたって紹介する。

全世界的に感染拡大が進む新型コロナウイルス。その影響で、大学や企業が開催する就職セミナーや説明会が中止となり、学生と人事採用担当者の双方が対応に苦慮している。川村さんは「採用試験の根本を見直すいい機会かも知れない」という見方を示す。

危険回避のためには、ネットでセミナーや説明会を配信する方法がある。「自社で配信が難しい場合はアウトソーシングでもいいと思いますが、職種別に社員が語り掛けた方が、学生の心に響きますね」と川村さん。面接や筆記試験をWEBで行うことも推奨している。しかし、「WEB面接では『奥行き』が感じられない。最終的な面接は、安全に考慮して実際に会ってほしい」。筆記試験も「自社にとって、どのような人材が好ましいのかを再考した上で実施の有無を決めるべき」と説いている。次回は大学側の実情を紹介する。

川村さんは、自身のホームページで「失敗しない!新型コロナウイルス感染対策の採用/就職活動7カ条」を展開している。