11番人気のサンライズホープ(牡5、羽月)が後方からまくって押し切り、昨年のシリウスS以来2度目の重賞制覇を果たした。近走は不振が続いていたが、スタートで後手に回り、結果的に差す競馬をしたことが功を奏した。

幸英明騎手(46)は19年ヴェンジェンス以来、羽月友彦調教師(52)は14年インカンテーションに次ぐ、ともに2度目のみやこS制覇となった。

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勝負どころでぐるっと外を回り、サンライズホープは先頭に立った。「“4角先頭”は予定通りだった」と幸騎手は明かす。だが、そこまでの過程は作戦と違った。本来は先行脚質だが、スタートで脚を滑らせ、後方からの競馬となった。「最近は最後にやめてしまうレースが続いていたので、いつかはこんな競馬がしたかった」。後手に回ったことにより、期せずして実行することになった。

3角を過ぎたあたりで、ムチを入れて追い上げを開始。馬はその気になると、ぐいぐいとポジションを上げ、直線もパワフルに押し切った。戦況を見守った羽月師が「まだ頭の整理ができていません」と驚く単勝11番人気での勝利だった。

昨年のシリウスSで重賞初制覇を果たした。ダートG1を10勝したホッコータルマエの主戦だった幸騎手をして「タルマエ級の素質がある」と言わしめるほど強い勝ちっぷりだった。だが、その後はスランプに陥った。「体はどこも悪いところがないのに、結果が出ない」と羽月師も首をかしげていた。ようやく、このみやこSで復活。“やればできる”ことを証明した。「力のあることを再確認できた」と幸騎手も喜ぶ。

一方で「いつも、こんなレースができるとは限らない」とも主戦はいう。条件が合わなかった時には、またもろさを見せる可能性もあるが、かみ合えば底知れない力を発揮する。次走は未定だが、優先出走権を得たチャンピオンズC(G1、ダート1800メートル、12月4日=中京)に参戦してくれば、台風の目になりそうだ。【岡本光男】

◆サンライズホープ ▽父 マジェスティックウォリアー▽母 オーパスクイーン(スペシャルウィーク)▽牡5▽馬主 松岡隆雄▽調教師 羽月友彦(栗東)▽生産者 ヤナガワ牧場(北海道日高町)▽戦績 20戦7勝▽主な勝ち鞍 21年シリウスS(G3)▽総収得賞金 1億6897万3000円▽馬名の由来 冠名+希望