秋に“華”を咲かせる上がり馬は? 秋華賞トライアルのローズS(G2、芝1800メートル、17日=阪神、1~3着に優先出走権)の追い切りが13日、東西トレセンで行われた。恒例の「追い斬り激論」では2連勝中の2頭を選択。ベテランの岡本光男記者がキャリア11戦のコンクシェル(清水久)を推すと、大阪日刊スポーツの太田尚樹記者は栗東滞在の関東馬ブレイディヴェーグ(宮田)をプッシュした。

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岡本 先週は“放牧”やったらしいね。

太田 カリフォルニアへ行ってきました。

岡本 今年のBCがあるサンタアニタも行ったの?

太田 いえ、大リーグ観戦ざんまいで…。リフレッシュ効果で頑張ります!

岡本 ブレイディヴェーグも夏休み明けやね。

太田 Cウッド6ハロン82秒3-11秒4で馬なりのまま古馬2勝クラスのライリッズを子供扱いして半馬身先着。男勝りの迫力ある脚さばきでした。

岡本 4角までは少し行きたがる場面もあったね。

太田 美浦の調教映像と見比べると、むしろ前進気勢が出て好材料だと思います。ルメール騎手も「心身とも充実。状態はバッチリと思う。絶対重賞レベルにある」と高評価でした。ちなみに前走(6月25日)は1分57秒9でしたが、東京芝2000メートルで勝ち時計1分58秒を切った3歳馬は過去20年でエフフォーリア、イクイノックス、バトルボーンに次ぐ4頭目。3歳の9月以前では唯一です。潜在能力は相当ですよ。

岡本 環境への対応は?

太田 沢江助手によると「カイ食いも減っていたけど、慣れてくれて徐々に食べてくれている」とのことです。美浦で工事中の坂路を求めての滞在だそうですが、今月1日から早々に栗東入りしたことで順応期間があったのは大きいです。

岡本 僕は夏も休まず頑張って2連勝したコンクシェルが良く見えたかな。

太田 春にはアネモネSで追い込んで2着に入った馬が、夏の中京と小倉ではともに逃げ切り。イメチェンしましたよね。追い切りはどうでした?

岡本 Cウッド6ハロン84秒8-11秒4でルソルティール(3歳1勝クラス)に半馬身先着。春は前に重心がある印象やったのが今は上体を起こして走れるようになった。同じ清水久厩舎のキタサンブラックもそうやったけど体が起きればより高い位置から脚を繰り出せる。馬体を見ても水っぽさが抜けて、無駄肉が減った上で体重が増えてる感じやね。

太田 とはいえ桜花賞では15着でしたし、重賞レベルになるとどうでしょう?

岡本 ここ2戦が逃げて上がり最速の強い競馬で、しかも前走は牡馬相手の2勝クラスで5馬身差やからね。清水久師は「スピードの違いで逃げているだけで、控えても競馬はできる」とハナにはこだわってないけど、先週の阪神芝では前残りが多かったし馬場も合いそう。今回の競馬次第では本番でも面白いかも。

太田 夏休み明けの馬か。夏に頑張った馬か。楽しみです。僕も休みぼけと言われないようにしないと…。