地元勢が日本馬の前に立ちふさがった。日本馬計13頭が参戦した香港国際競走は、メインのカップでロマンチックウォリアー(せん5、C・シャム)が連覇を達成、マイルではゴールデンシックスティ(せん8、K・ルイ)が休み明け+大外枠をものともせずG1・10勝目を挙げるなど、G1・4競走中、香港勢が3勝。日本勢はヴァーズのゼッフィーロ(牡4、池江)の2着が最高で、18年以来5年ぶりの0勝となった。【井上力心、下村琴葉】

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余裕すら感じさせる完勝だった。断然1番人気のゴールデンシックスティが、たった400メートルで勝負を決めた。勝ち時計は1分34秒10。ほぼトップスタートを決め、楽に中団に陣取る。馬なりの追走。ホー騎手は隊列の真ん中で追いだすタイミングだけを探っていた。鞍上の両腕が大きく動いたのは直線だけ。あっさりと、いとも簡単に抜け出した。

8歳になろうが、7カ月のブランクがあろうが、王者は気高かった。20、21年に続く香港マイル3勝目。ホー騎手は「信じられない反応でしたね。外々を回されることになったが、手応えは良かった。ずっとリラックスしていて100%の競馬をしてくれました(休み明けで)簡単ではなかったと思うが、素晴らしいチームが仕上げてくれた」と興奮気味に語った。昨年はカリフォルニアスパングルの逃げ切りを許し2着だったが、今年は盤石の早め先頭で圧倒的な力を示した。

限られた現役生活で節目のG1・10勝目に到達。すでに来年1月のスチュワーズC、4月のチャンピオンズマイルを戦った後に引退、日本で余生を送ることが決定している。ホー騎手は「とても8歳とは思えない」と衰えない力に笑顔を見せる。2着にはヴォイッジバブルが入り、香港スプリントに続く地元馬ワンツーとなった。