日刊スポーツ新聞社制定、日本中央競馬会が協賛する23年「中央競馬騎手年間ホープ賞」に、関東は佐々木大輔騎手(20=菊川)、関西は永島まなみ騎手(21=高橋康)が選出された。佐々木騎手は22年9勝を大幅に上回る68勝と躍進。グレード制導入後、史上最年少で夏の函館リーディングを獲得し、秋は福島リーディングとなった。

駆け足どころか、一足飛びでの急成長だった。佐々木騎手は1年目の9勝から勝ち鞍を激増させて、68勝で2年目の騎手生活を終えた。年初に掲げた目標、30勝の2倍以上の数字を残した。騎乗数も約3倍の804鞍。佐々木騎手は「取りこぼしも多いので、もう少し勝てたなというのが正直なところ」と上を見る。

まいた種が芽吹いた。年明けに小倉へ7週間滞在。時間を見つけては競馬場から小倉駅まで往復約10キロのランニングをこなし、朝の調教騎乗で栗東の厩舎との縁が広がった。「モノレール沿いを走るから、道に迷わないのでいいんですよ」。ルーキーイヤーはわずか3鞍だった関西馬の騎乗は180鞍へと急増した。

夏の函館では18勝を挙げ、史上最年少でリーディングを獲得。「北海道ではたくさん調教に乗せてもらって、そこで馬乗りの体力、筋力がつきましたね」と笑みがこぼれる。縁を結果でつなぎ留め、好循環の波に乗った。

すでに明確な目標を立てている。昨年超えの70勝。23年は2月までわずか4勝だった。今や重賞でもオファーが集まるようになり、ホープフルSではインザモーメント(8着)でG1初騎乗も果たした。関係者の信頼を勝ち得た今なら十分実現可能と思わせる。「1つ1つしっかりと乗ることが次につながると思います。デビューしたばかりの頃より多少は周りが見えるようになりましたが、先輩騎手に比べたらまだまだ。でも、いっぱい勝ちたいです。できれば、毎開催日ですね」と前を向く。大きな飛躍を遂げても、道半ば。東のエース候補は24年も全力騎乗を誓った。【松田直樹】

◆佐々木大輔(ささき・だいすけ)2003年(平15)11月24日、茨城県生まれ。菊川厩舎所属で22年3月5日騎手デビュー。初勝利は同年4月10日中山8R(スイートカルデア)。JRA通算1077戦77勝。賞金の使い道は「厩舎作業用にブロワーを買います。最近馬房の敷物が寝わらからチップに替わったので」。