非接触のお店が話題になっていることから、前回は厚木市にある玉子サンドの無人販売所を訪ねた。人と接触がなく買える代表といえば自動販売機。実は僕が住んでいる相模原市内に昔懐かしい自動販売機がたくさんそろった有名なスポットがある。そんな場所を今回はE-Bikeで訪ねることにした。

場所は神奈川県相模原市南区下溝。住宅地の外れ、交通量の多い4車線県道から少し入ったところにある。実はここ、以前行ったことがある。その時は見に行っただけで、次に来たときは絶対に何か食べようと思っていた。休日や正午前後は人が多いという情報から、平日の朝10時に合わせて家を出た。


この自動販売機の数、すごいです!
この自動販売機の数、すごいです!

砂利敷きの広い駐車場に面して自動販売機がズラッと並んでいる。ざっと見て20台、いやそれ以上あるかもしれない。とにかくすごい数。実はここを経営しているのは『中古タイヤ市場相模原店』というタイヤ販売店。タイヤ交換を待っているお客さんのために自動販売機コーナーを設置したことが始まりで、その後どんどん増えていったという。ちなみに社長さんが古い自動販売機を集めていて、修理も全部自身がしているというのだからスゴイ。

端から順に販売機を見て行く。うどん、そば、ラーメン、焼きそば、焼きおにぎり、トーストサンド、ハンバーガー、みそ汁、ガム、アイスクリーム、カップ麺、瓶ジュース…本当にいろいろある。そしてなぜか”おみくじ”まで。見ているとあれもこれも食べてみたくなる。

目移りするが今回は”天ぷらうどん”と決めている。ここと同じ販売機が僕が通っていた高校の購買にあり、部活帰りによく食べていた。高校時代はいつもハラペコだった僕に、なくてはならない存在だった。そんな懐かしい天ぷらうどんを、久しぶりに食べるのが今回一番の目的なのだ。


今回の一番食べたかったのがこの自動販売機のうどん
今回の一番食べたかったのがこの自動販売機のうどん

300円を投入すると”調理中”の文字が光り、できあがりまでカウントダウンが始まる。ワクワクしながら30秒待つ。コンビニでお弁当を温めている間は何も思わないが、自動販売機だとなぜかワクワクする。大きな箱の中で機械が動いてうどんを作っている、そう思うだけで想像が広がる。アナログ感がたまらなくいい。

取り出し口から丼を取り出すと、なぜか天ぷらそば。あれ? うどんじゃないの? ボタンを見ると左が”天ぷらうどん”右が”天ぷらそば”になっている。あちゃ~、間違えて右側を押してしまったらしい。やっちまった。でもいいや、一度そばも食べてみたかったから。すぐに頭を切り替える。


うどんの予定が間違えてそばのボタンを押してしまった(笑)
うどんの予定が間違えてそばのボタンを押してしまった(笑)

ダシはアツアツ。かき揚げ天ぷらには豪華にエビも入っていた。味は立ち食いソバに近いレベル、これで300円は安い。味の違いはよくわからなかったが、軟らかい容器はあの頃のまま、とても懐かしかった。


いただきまーす!これぞ幸せの瞬間
いただきまーす!これぞ幸せの瞬間

もうひとつ食べたかったのが”ハンバーガー”。中高時代(1970年代)はサイクリングが好きでいろんなところへ出かけていた。当時は自販機コーナーが各地にあって、この販売機を見つける度にハンバーガーを食べていた。当時はコンビニはもちろんなく、ハンバーガーチェーン店もほとんどなかったので、無類のハンバーガー好きの僕にとって、この販売機はとても貴重な存在だった。


昔よく食べたハンバーガーの自動販売機
昔よく食べたハンバーガーの自動販売機

280円を投入、チーズハンバーガーのボタンを押した。60秒待つとアツアツの紙箱が出てきた。これこれ、懐かしい。そのままテーブル席へ移動。これと一緒に飲みたかったのが自動販売機の瓶コーラ。昔、商店の前にあった自動販売機で、扉を開き好きな瓶ジュースを引き抜くというシンプルなものだった。飲み終えた空瓶をお店に返却すると、デポジットのお金が返って来る、そんなシステムだった気がする。


ハンバーガーとコカコーラは黄金の組み合わせ
ハンバーガーとコカコーラは黄金の組み合わせ

コカコーラとチーズバーガー。これぞまさに70年代のアメリカンドリーム。今では普通なんだけどね。当時は一番おしゃれなメニューだった。ちなみに、チーズバーガーのバンズはシワシワで一部はカチカチ、パティは「これ肉?」と言いたくなる感じなのだが、これこそが70年代に食べていた自動販売機のバーガー。僕が求めているのはおいしさではなく、懐かしさ。そういう意味では最高級のハンバーガーだった。


中津川に架かる平山橋は国の登録有形文化財
中津川に架かる平山橋は国の登録有形文化財

お腹がいっぱいになったことだし、これからちょっと遠くまで走ろうか。ここからだと中津川まで往復30キロ、2時間くらいで走れるちょうどいい距離。市街地を走っていると、柔らかな3月の風がE-Bikeの横を通り抜けて行った。花見月らしく、景色のあちらこちらに美しい花が咲いていた。【藤原かんいち】


春の道は美しい花々で鮮やかに彩られていた
春の道は美しい花々で鮮やかに彩られていた

中古タイヤ市場相模原店

「自動販売機コーナー」

神奈川県相模原市南区下溝2661-1