2016年11月に行われた住民投票で嗜好用大麻の合法化が承認されたカリフォルニア州で、今年1月1日から大麻の販売が解禁されました。これまでは処方箋が必要な医療用大麻のみ販売が認められていましたが、これによって今年からは21歳以上であれば誰でも合法的に購入できるようになりました。大麻が解禁されてもうすぐ半年。サプリやドリンクなども続々と登場しています。

CBD入りコールドプレスジュース。ココナッツ、ジンジャー、ターメリックなどが入って健康志向の人たちに人気
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 大麻は専門の販売店でのみ購入することができますが、街中のあちらこちらに大麻の販売店があります。大麻と言うと乾燥させた葉や花穂を燃やして煙を吸うイメージが強いですが、大麻を加工したチョコレートやクッキー、キャンディーなども販売されていて、煙が苦手と言う人でも使用することができます。最近は大麻に含まれる成分の一つCBD(カンナビジオール)を含んだドリンクやオイルなどの商品が高級スーパーマーケットにも並ぶようになり、より身近な存在になっています。CBDは炎症や痛みの緩和、不安神経症、痙攣などを抑える効果がある他、ガン細胞の成長を抑制したり、総合失調症に対する精神薬としても効果もあると言われ、多幸感を引き起こすもう一つの成分テトラヒドカンナビノール(THC)のような精神作用はなく、摂取してもハイにならないと言われています。副作用の心配もないため、健康のためにオイルやドリンクを愛用する人が増えているようです。

リラックス効果があるCBDオイルは、コーヒーやジュースに入れたり、直接舌の上に1滴落として摂取する人も
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 ビバリーヒルズ近くにあるナチュラル系高級スーパーマーケットErewhon(エレワン)では、鎮痛剤の代わりに使用できる錠剤やオイル、CBD入りのナチュラルドリンクなどが売られていますが、ここのカフェではこのCBDオイルをコーヒーやスムージーに入れるサービスも開始しています。CBDにはリラックス効果があり、健康にも良いと言われているため、LAのヘルスコンシャスな人たちは健康食品として注目しています。

犬用のCBD入りのおやつ。チキン風味のクッキーで、ワンちゃんの食いつきにも良いようです
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 CBDオイルは人間だけでなく、ペットにも使用することができ、最近ではペットショップでも販売されています。オイルだけでなく、CBD入りの犬用クッキーもあり、人間同様にリラックスさせたり、痛みを軽減させるために使用するようです。店内に掲載されている説明書によると、ガンを患っているペットはもちろん、関節の健康を保つため、鎮痛剤の代用として、また興奮や不安分離症を抑えるために与えることが推奨されています。オイルはフードや水などに数滴たらして与えるようですが、高齢ペットの健康を保つ効果などもあるようです。

犬向けのCBDオイルは、愛犬の健康を保ちたい人に人気
犬向けのCBDオイルは、愛犬の健康を保ちたい人に人気

 また、最近ではCBD入りのオイルや食品だけでなく、大麻そのものを使った料理にも注目が集まっています。大麻入りチョコレートやクッキーだけでなく、食用大麻を使った料理を提供するレストランも少しずつ出てきているようです。また、Canna Vineと言う大麻入りのカリフォルニアワインも登場しています。「グリーンワイン」と呼ばれるこのワインは、ワイン用のブドウと有機栽培された大麻を使用して作られているとのことで、一口飲むと気分が高揚して楽しい気分になり、夜はぐっすり眠れると言われています。

ボトルもおしゃれなドリンク。ピーチやブルーベリー味で飲みやすく、心と体のために愛飲する人もたくさんいます
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 ちなみに、合法と言えども法律で定められた規則があります。公共の場で個人が所持できるのは、1オンス(28グラム)の乾燥大麻か8グラムまでのオイルなどの濃縮大麻のみ。州によって法律が違うため、州外への持ち出しには注意が必要です。また、アルコール同様に公共の場や公道などでの使用は禁止されていますし、レストラン等喫煙が禁止されている場所では使用することができません。もちろん、大麻を使用しての運転は、飲酒運転と同様に罪に問われます。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)