日刊スポーツ入社3年目の私、松尾幸之介が今回は新潟東港・鯛紅丸に乗り込み、同港沖でのマダイ釣りに挑戦した。コマセマダイ釣りを始めて約1年。サオや仕掛けの扱いには慣れてきたが、ここ最近は連戦連敗。心機一転の意味も込めて向かったのは、人生初の日本海だ。良型多しとされる新潟での熱い攻防の模様をお届けします。

 最後にマダイを釣ったのは昨年12月。東京湾の海で、凍えるような寒さに震えていた頃だ。マダイがエサとなるオキアミを口にし、深みへ“ギュギュンッ”と引っ張っていく、あの感覚を取り戻したい。ただその一心で港を出た。

 仕掛けは鯛紅丸特製のものを使った。5号のハリス10メートルの2本バリ。こちらではコマセフカセマダイ釣りと呼ぶという。シンプルな作りだが、常連客らは「この仕掛けがとても当たる」と口をそろえる。これまでは3~4号のハリスを使ってきたが、新潟東港周辺では根掛かりが起こりやすく、すぐに切られないよう5号のハリスを使っている。

 この日は数日前に起きた豪雨の影響で川からの雨水の流入が多く、少し濁りもあった。加えて二枚潮とあり、魚影が濃い日ではなかった。しかし、これまでの経験から言うと、そんな時でも釣る人は釣る。成長を確かめ、自信を深めるには抜群のコンディションだと割り切った。