とうとうタチウオ釣りが“浅場戦”に突入した。初心者&ビギナーの諸君、大チャンスだ! タチウオは釣りのパターンが多種多様で、しかも攻略法も日によって微妙に差があって、ベテランでも手を焼く釣りもので知られる。でも、興味ありますよね? そこで、タチウオに初挑戦した釣り好き女子に密着してみた。東京湾も駿河湾も浅場の夏タチ、面白いですよ。

 夏場になるとタチウオはエサを求めてなのか、産卵行動に出るためなのか、水深30~50メートルの浅いエリアに出没する。これは日中に狙う東京湾も、夜釣りの静岡・駿河湾でも同様だ。浅場ならば、巻き上げるのにも苦労しないから慣れてない釣り人でもできそうだ。

 そこで、最近釣りにハマっている佳江(かえ)ちゃんにチャレンジしてもらった。横須賀・久里浜「大正丸」に乗り込んだ佳江ちゃんは「タチウオのキラキラした姿がみたいです。鮮魚店で見るタチウオは、どちらかというと灰色なんですよね。ピッカピカのシルバーがいいです」と瞳を輝かせた。出船だ!

 ここで世間で評判の釣り方にはどんなものがあるのか? エサ釣りでは、大きく分けると2種類。(1)サオをシャクって動かしながら誘う(2)仕掛けを着底させ、タチウオのタナ(魚の泳層)まで巻き上げたら置きザオにして待つ。(1)では最近の流行では、ゆっくり巻きながらシャクり、(2)では置きザオにしてから船の揺れで誘う釣法になっている。

 佳江ちゃんはアクティブに(1)を選んだものの、シャクりのリズムが合わずに苦戦。サオ先がダンスを踊るようにする。サオを下げるときにリールを3分の1~半周巻き、仕掛けを少しずつ上げると、タチウオにエサに追い付かせることができる。追いかけてくるイメージを持つのが大事。

 今回は佳江ちゃんのサポートで、海洋環境専門家の木村尚(たかし)さんと、横須賀・汐入のイタリアン居酒屋「otonari3(おとなりさん)」の古川(こがわ)綾人さんが同船した。この2人、ギリギリまでアドバイスはせずに佳江ちゃんが考えながら釣りができるように演出していた。おかげさまで、佳江ちゃん、メキメキ上達して、ちょっと時間はかかったけど、タチウオをゲットできた。その後も順調にヒットを重ねて、なんと初回にして9匹を釣り上げた。

 木村さんは18匹、古川さん25匹と釣果は上々。木村さんは「動かしていて、ちょっと動きを止めると引ったくられる。やっぱりタチウオ釣りは楽しい」とご満悦だった。古川さんは、釣ったタチウオを細かく切って、そうめんの上にトッピング。これはうまい、涼やかさが増しますねぇ。

 「食べておいしいし、釣ってもどこにタチウオがいるのか。探す釣り、って面白いですね」と佳江ちゃんも大満足。まだまだ、タチウオの夏は終わりませんよ。【寺沢卓】

 ▼タチウオの釣り宿 川崎「つり幸」、八景「太田屋」、新安浦「長谷川丸」、久里浜「大正丸」、田子の浦「海渡」、大井川港「海政丸」

 ※大正丸はエサ専門、太田屋はルアー専門、その他はエサとルアーどちらもOK。エサで使用するオモリは各宿違うので、要確認。エサは東京湾はサバ、スルガ湾はサンマ。