千葉のマダイ、これから本番だ! 「2017日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」南房・外房地区マダイ大会が1日、吉浦「八平丸」を本部に小湊「鯛丸」と2地区で26人が参加して実施された。マダイの活性が低い中、鯛丸で3匹を釣り上げた小関(こせき)勝繁さん(73=茂原市)が、最大1・81キロで念願の初優勝を遂げた。

 状況は決してよくなかった。言い訳から切り出すわけではないが、寒冷前線の通過が早くなってしまった。魚の様子がおかしくなってしまった。

 「八平丸」と「鯛丸」の魚探(魚群探知機)の画面には、マダイと思われる影が赤くポツン、ポツンと現れて、しばらくすると消えていった。マダイは確実に船の下にいた。

 薄い反応の中でも、小関さんは気を抜かずにチャンスを待った。競技をスタートした午前6時から約1時間が経過したころ、小関さんのサオがブルンと揺れた。ごくわずかな震動。1・81キロ。優勝魚だった。

 小関さん 私は硬いサオが好みなんです。最近、はやりのムチのようにしなるタイプは苦手なんです。その分、サオ先に集中しなきゃいけない。うまくハマりました。

 小関さんは、この優勝魚以外に2匹釣っていた。「鯛丸」佐藤秀則船長は「動かないこの潮の中、ちゃんと魚を拾ってくるのは、実力ですよ。スゴいよ」と言葉に熱を込めた。

 集中力は、別の理由もあった。小関さんは、この大会は第1回から皆勤賞。すべて出場している。過去に10グラム差で優勝を逃していた。今回は、待ちに待った念願の初優勝だった。小関さんは「いや、本当にうれしい。こんなに賞品ももらえるんだ。本当にうれしい」と喜びをかみしめ、優勝者しか手にすることのできないクリスタルトロフィーを握りしめた。

 勝因について小関さんは「釣りに慣れてくるといろいろやっちゃうけど、ちゃんと船長の指示したタナ(魚の泳層)を守ることですね」と話した。テクニックではなく、基本への忠実さを小関さんは、優しく説いてくれた。

 「八平丸」鈴木篤幸船長は「大会のときは潮がいつもと違ったな。4日によ、8キロと12キロが釣れた。今年の秋ダイは数も、サイズも、いいんじゃねぇか?」と話した。外房~南房、マダイ注意報が発令されそうだ。【寺沢卓】