今春、どこもコマセマダイが調子いい。なにしろ、ヒット確率が高い。ならば、未経験者や始めたばかりのマダイ入門編としては絶好機なんじゃないのか? 都合よく、八景「太田屋」(太田一也船長)では4月6日に教室がありますよ。いつかは釣ってみたい魚の王様マダイ。今が本当に大チャンス。ちょうど3匹合計重量を競う「Tokyo Bayマダイダービー」も実施中だし、繰り出してみませんか、マダイ釣りで東京湾!

マダイの春。よく釣れている。この時期大きなマダイが釣れる。この産卵活動に絡んで大きなマダイの活性が高くなる現象を“ノッコミ”という。ただ、マダイに関しては、まだまだ、本格的なノッコミとは言えないようだ。

今冬は暖かい日が続き、マダイがずっと動いていた。ここにきてちょっと早めではあるが、マダイが口を使うことで、サオには分かりやすくアタリが出る。マダイの活性は桜前線とともに北上していき、この初春に釣れるマダイは“サクラダイ”などとも呼ばれる。ただし、今年は桜開花よりもマダイの気の方が早かったみたいだ。

ハリにちゃんとエサとなるオキアミが付いていなければ、どんなに釣り人が頑張ってもマダイは釣れない。基本中の基本だが、エサのオキアミの付け方を復習しておこう。

<1>オキアミは身のしっかりしたものを選ぶ。コマセとしてばらまく冷凍ブロック(船代の中に入っています)を海水にひたしてとかす。コマセのビニール袋をしばる。船内には海水がくみ上げられるホースがあるので、コマセのビニール袋に突き刺しておく。解凍したオキアミからハリに刺すオキアミを選別する。

<2>尻尾の尾ビレだけをハサミでていねいに切断する。できた小さい断面にハリ先を立てる。刺さったハリ先をオキアミに送り込んでいく。

<3>背から尾の部分に沿わせる。ハリスから背筋にまっすぐだと、仕掛けを落とすときにオキアミが回転せずにきれいに真っすぐ落ちてハリからとれてしまうこともない。やや細かいことだが、押さえておきたい。

あとは太田船長の指示に従っていれば、釣れる。魚の気まぐれが出るときもあるが「タナ」と呼ばれるコマセカゴをキープする海面からの距離をちゃんと守っていればマダイのアタリはとれるはずだ。

さて、取材は3月18日で、昨年10月にマダイ教室を経験した武井啓二さん(39=逗子市)がサオを出していた。今年の正月、奮発してマダイの道具を全部そろえた。開始直後に2匹を立て続けに釣った。「教室ではボウズだったけど、そのときに教わったことが役立った。しかもマイザオで釣れた。すげえうれしい」と笑顔が消えることはなかった。

友人の谷脇潤一さん(56=町田市)と一緒に来た秋月(あきづき)和之さん(46=相模原市)は普段は津久井湖でブラックバス釣りに熱中している。初のコマセマダイ釣りで本命を釣ることができて「うわぁ、このコマセワークというんですか。ばらまくんじゃなくて加減がある。楽しい。ハマりそうです」と話した。

それぞれの楽しみ方がある。乗船した9人全員が釣れた。マダイをやるなら今しかない。ダービーも開催中だ。さあ、東京湾のマダイがみなさんを待ってますよ。【寺沢卓】

▼船 八景「太田屋」【電話】045・782・4657。マダイ釣りの乗合船は出船午前7時15分、帰着午後3時=エサ、氷付きで1万500円。教室は4月6日(土)に実施、募集中。講義があるため集合は午前6時20分。料金は男性1万500円、女性7000円。また、今月16日から5月19日まで「Tokyo Bayマダイダービー」開催中。期間中に釣れたマダイ3匹の合計重量勝負、1匹からの入れ替え可能で何度でも挑戦できる。参加は八景「太田屋」のほか、久里浜「大正丸」、勝山「宝生丸」、富浦「共栄丸」。