平成最後の年間チャンピオンが決まった。日刊スポーツ新聞社指定「東北釣り共栄会」の加盟各店で開催していた「2018年度日刊スポーツ盾争奪・船釣りダービー」の優勝者が出そろった。開催5年目の昨年度はカレイ、アイナメ、ヒラメ、マダイをそれぞれ対象にして、計8大会で激戦を展開した。各優勝者には日刊スポーツ盾とオリジナルのブルゾンが贈られる。

<カレイ>

◆18年4月1日~12月31日◇カレイ類1匹の全長

高級カレイが志津川湾(宮城・南三陸町)の激戦を制した。高橋洋雄さん(66=宮城・涌谷町)が昨年5月26日、仕立て船「朝日丸」でホシガレイ57センチをゲット。ヒラメ以上の高値の高級魚で年間王者に輝いた。

釣り仲間4人で釣行。マコガレイ主体にヒットを重ね、1人30匹前後をものにした。船中最大のハイライトは午前10時過ぎ、定置網近くの水深30メートルラインで遭遇。「まったくの偶然です」と謙遜する。船釣り歴40年以上。過去マコガレイ50センチ級、イシガレイ56センチの大物実績を持つ。自作の仕掛けはテンビンを使わないオモリ直結の三浦屋式をコピー。メバルやヒラメ釣りも楽しむベテランは「釣った魚は必ずしめる。1日楽しんで新鮮な魚をおいしく食べるのが何より」と月2回ペースで釣り場に向かう。

◆18年4月1日~12月31日◇カレイ類1匹の全長

昨年6月2日、12人乗船の右舷船首でイシガレイ66センチをヒットした湯村幸治さん(63=宮城・大崎市)が逃げ切り優勝した。カレイ釣りでは自身初の60センチ超で、2位を4センチ上回る釣り歴30年の自己ベスト。「根がかりかと思った」と強烈な引き味を振り返った。この日はマコガレイも35~40センチ主体の型ぞろいで、40リットルクーラー満杯の大漁節。自宅が鳴子温泉にある湯村さんは「近所のみんなに配って食べるのが楽しみ。イカ釣りするので、今年も暖かくなったら挑戦したい」と釣春到来に期待する。

◆18年4月1日~12月31日◇カレイ類1匹の全長

ともに仙台湾の大型漁礁沖でイシガレイ63センチをヒットした2人が優勝を分け合った。菊池二郎さん(61=岩手・花巻市)は釣りダービー開始の昨年4月1日、観光会社企画の釣りツアーに参加。午前10時過ぎ、水深45メートル前後で自己最大をマークした。釣行後は地元の居酒屋で刺し身を囲んだ飲み会も開催。今年も釣りツアーに参加予定の菊池さんは「人よりは釣りたいし、負けたくない」と自己記録更新に意欲的だ。

一方、えびす屋釣具店の常連、梅津美春さん(68=宮城・七ケ浜町)は5月、水深40メートルラインで大物ラッシュに遭遇。午前10時半ごろに58センチ、約1時間後に自己最大の60センチ超をゲット。船釣り歴40年以上で「(エサの)アオイソメを大きく見せるようにセットしている」と大物釣りのコツを明かした。

◆18年4月1日~12月31日◇カレイ類1匹の全長

昨年10月14日の謙信丸五目船釣り大会で2冠(総数・大物)独占の武田正彦さん(65=仙台市太白区)が「3冠目」を獲得した。55センチ超のイシガレイ4匹を1人でゲット。最大64センチ(2・9キロ)が年間ダービーでもトップに立った。早朝の1投目で大物を仕留めて「イシガレイは狙って釣れる。釣り方がある」と豪語。大会連覇に意欲を示した。

<ヒラメ>

◆18年5月1日~10月30日◇ヒラメ2匹の総全長(期間中何度でも入れ替え可)

ヒラメハンター小原伸晃さん(47=宮城・塩釜市)が2匹合計164センチで各店を通じて年間ダービー史上初の3連覇を達成した。追う展開を強いられる中で昨年10月8日、81センチと83センチを1日で連続ヒット。2位2人を3センチ上回って一気に逆転した。年平均50回以上も晋漁丸に乗船。「去年は427匹釣った」というヒラメキラー。永世名人(5連覇)の期待もかかるが、今年は「みんなに迷惑をかける。これからは釣りを楽しみたい」と大会引退を表明。一方で「釣れてしまったら仕方ないね」と含みを残した。

◆18年6月1日~12月31日◇ヒラメ1匹の全長

昨年8月27日、大海丸ヒラメ船釣り大会で103センチ(11・2キロ)を釣り上げた本田実さん(67=仙台市太白区)が当日の大物部門優勝に続き、年間タイトルも制した。午前9時半過ぎ、福島県境の水深40メートル前後での衝撃ヒット。釣り歴30年で「1メートル以上も10キロ以上も初めて」という自己ベスト更新。大海丸でも船中レコード(107センチ)に迫る歴代2位の好記録になった。

<アイナメ>

◆18年4月1日~12月31日◇アイナメ対象

大きさだけにとらわれずに選考。「愛女魚」(あいなめ)の和名にふさわしく、紅一点が年間女王に選ばれた。昨年6月23日、釣り仲間3人で乗船した太田晶子さん(33=宮城・岩沼市)が福島・相馬港沖の水深30メートル前後で49センチをヒット。本命はカレイ釣りだったが、自己最大のアイナメで初タイトルを獲得した。

「気分転換に」と船釣りを始めて3年目。「手ごたえがいい」と魚との駆け引きを楽しんでいる。この日はイシガレイ50センチ級を含む約30匹のカレイ類もヒット。昨年8月にはヒラメ70センチもゲットして大物釣りにはまった。魚のさばき方や調理も上達。「アイナメは刺し身や、なめろうにした。新鮮でおいしかった」と釣りとの一挙両得を味わっている。

<マダイ>

◆18年6月1日~12月31日◇マダイ1匹の全長

転勤で昨年9月まで約3年間、新潟市で暮らしていた佐藤征則さん(50=東京・台東区)が昨年7月1日、マダイ88センチ(8・5キロ)をヒット。船釣り歴10年以上の自己ベストで初タイトルを獲得した。オキアミを寄せエサにする片テンビン2本バリ(ハリス10メートル)使用のコマセ釣り。午前10時前後、左舷・船尾で大物を仕留めた。「中型の電動リールが壊れたので手で巻いた。とにかくすごかった。船長がうまくてはまってしまった。今年も行きたい」と本格シーズンを待ちわびている。