天笠充選手(シード)が連覇で3勝目を飾った! 「第41回G杯争奪全日本ヘラブナ釣り選手権」(主催・(株)がまかつ)が10月20、21日に茨城・八千代町の筑波流源湖で行われた。予選を勝ち抜いた30選手(シード含む)が参加し、ヘラブナの総重量を競った。21日の決勝は、西桟橋で午後1時から6選手で2時間半戦い、天笠選手が9尺竿の浅ダナセット釣りで26・0キロ(36匹)を釣り上げ、2位の後藤田義臣選手(甲南へらの池)に3匹(1・2キロ)差をつけて優勝した。3位は24・2キロの高橋秀樹選手(椎の木湖)が入った。【中村和嗣】

「やりました。何度、優勝しても気持ちいい」。昨年、セット釣りで両ダンゴを上回る釣果を出して注目を集めた天笠選手が今年も実力をいかんなく発揮。3つ目のG杯を何度も突き上げ、満足そうな笑顔を見せた。

「セット釣りはウキやバラケの調整で季節や状況に関係なく釣れる。とりこぼしのない釣り方で、あるときは爆発力もあるんです」。その言葉通り、今回も魚がわき立ち、両ダンゴが有利な条件の中、冷静な状況判断でそつなく釣り続け(上針と下針で半々のヒット率)勝利を呼び込んだ。

準決勝で昨年のセット釣り(上針を食わせる)を進化させようと持ち込んだ強いウキを試すが、バラケの食いがいまいちだったため、あっさり封印。10通り以上あるというヒットパターンの中から最適なバラケの大きさ、タッチを選択し、勝利への手応えをつかんだ。午後1時からの決勝は筑波流源湖で最も水深があるポイント(約8メートル)の1つ西桟橋で行われた。10月17日に2400キロ(1匹平均1・5キロ)の新ベラが放流されたことを受け、竿はパワーのある天輝9尺を選択。服は昨年の優勝時と同じものを着て縁起をかついだ。前半30分は親指の先ほどのバラケでヘラを寄せ、その後は小指の先ぐらいのバラケに替え、魚の寄りをコントロール。バラケのタッチや硬さも調整しながら数を伸ばし、両グルテンの宙釣りで先行する後藤田選手を猛追。結局、1・2キロ差で抑えた。

勝因は「準決勝の段階で上針の食いがいまいちだと判断したことです。その後はウキではなく、餌の調整に徹したことで決勝戦をタイムロスなく戦うことができた。100点満点の釣りでした」と振り返る。

来年は名手・岡田清氏(96、98、99、03年優勝)と並ぶ4度目の優勝、そして史上初の3連覇に期待がかかる。「今回、決勝でもっと匹数を伸ばす方法があるのではと思った。来年までにバラケとウキをさらに研究して3連覇を狙います」ときっぱり。セット釣りにこだわり、1つの技を極めていく天笠選手がさらなる進化をとげる。

◆天笠充(あまがさ・みつる)1971年(昭46)4月4日生まれ、48歳。船橋市在住。会社員。ヘラ釣り歴19年。ホームは清遊湖、千葉の富里乃堰。富堰釣好会所属。G杯成績は優勝3回(10、18、19年)、準優勝2回(07、16年)、3位3回(04、06、13年)。