春を知らせる渓流釣りが3月1日から西日本の主要河川で順次、解禁される。紀伊半島は雨が適度に降って水量が豊富だが、日本海側は雪がなく水が少ない河川があるのが気がかり。それでも全体的には暖冬で水温が例年よりも高めで成育は良好。盛期が早まりそうだ。初期のポイントは、淵やトロ場、瀬の大石裏や瀬脇など、水深があり比較的緩やかな流れが狙い目となる。特に淵は1カ所で数が釣れる1級ポイントといえる。解禁当初は気温、水温が低く、羽虫などの餌がいないため、表層の流れを意識している渓魚が少なく、川底付近で定位し目の前に流れてくる餌を捕食していることが多い。そのため、仕掛けを底の流れに入れ、スローに流すことが重要になる。餌の種類や水流、水深などに応じて小まめにオモリを調整し、時々、根掛かりするぐらいのオモリ使いが良いだろう。

具体的に底波をとらえると、どうなるか。仕掛けを投入し、ラインを送り込み、流れになじませる。すると、オモリが底石に当たる鈍い振動が手元に伝わりだし、目印が表層の流れよりも、ゆっくり流れだす。それが底流れに仕掛けが入ったサインだ。

竿の操作は目印の動きに合わせて竿先をスライドさせながら流していく。アタリは目印がフッと止まる。それを掛け合わせてほしい。食いが渋く素バリを引く場合は、少しラインを送り込み、しっかり食い込ませてから合わせるといい。

アマゴがすれていない解禁当初は、ワンサイズ大きめのハリにすることでバラシが少なくなる。状況に応じて交換してほしい。解禁日や低水温時の餌は生イクラがよく、特に成魚放流の河川で威力を発揮する。

しばらくして魚がスレてくれば、キンパクやヒラタなどの川虫が有効になる。時期によって捕れる川虫がかわると思うが、何種類か捕れれば、その中で当たり餌を探すと釣果アップにつながる。体の冷えには十分に注意して早春の渓流釣りを楽しんでいただきたい。【日刊FPC・下田成人】