「アニキ」こと俳優哀川翔(59)が、初釣りを東京湾のLT(ライトタックル)アジで楽しんだ。横浜・山下橋「広島屋」(石井晃船主=60)に乗船。出だしこそイシモチや小アジがかかったが、あれこれと釣り方を試して数を伸ばした。最も好きな魚種で72匹と初笑い。21年の好スタートを切った。

「哀川翔の釣りの基本はアジに始まり、アジに終わる」などと新年の抱負を考えていたら、アニキは出遅れてしまった。右舷に陣取った仲間5人は早々に本命のアジを確保している。右舷ミヨシ(最前方)から2番手に陣取ったが、釣れるのはイシモチか小アジばかり。周囲では20センチを超える良型が出ている。目指す刺し身サイズを釣るには、針の位置が少し深いのかもしれない。「タナ(魚の遊泳層)がおかしいのかな」。そこは「好きこそ物の上手なれ」で早速、基本に戻った。

「下から2メートル」とか「下から3メートル」という佐藤誠船長(48)の指示を聞いて、40号のビシを着底させたら2~3メートル巻き上げてコマセを出す。仲間や、ほかの釣り人からも情報を得て共有する。これこそが、本命確保へのセオリーだ。

「ほら、来たよ」。良型アジが小気味よくアニキのサオ先をふるわせる。活性が上がってきた。同時に調子にも乗ってきた。早速、いろいろな誘い方してみた。

ビシの着底後に1メートル刻みにコマセを出してゆっくりとタダ巻きする。ある時は着底してすぐと、指示タナでとコマセを2回出す。面白いように食ってきて、数を伸ばしていった。

ほかの乗船者にはうれしいゲストも食ってきた。左トモ(最後方)から3人目の真崎仁美さんには42センチのクロダイ。アニキの右隣、タケちゃんには1メートルはあるかというマアナゴ。東京湾の風物詩ともいうべき夜釣りでも、めったにお目にかかれない。「白焼きにしてワサビじょうゆで食べるとおいしいですよ」。同船した石井船主おすすめの食べ方だ。

終了間際には右トモのノブちゃんのサオが大きくしなった。海面まで上がってきたのは、3キロはあろうかというヒラメ。針掛かりしたアジをのみ込んでいたらしい。タモ取り寸前、ハリス切れしてしまったのは残念だった。

これらとは別に集中していたアニキ。最後は「置きザオ作戦」に出た。コマセが十分に効いて、入れ食いだ。沖上がり5分前、3匹を追加して72匹までいった。「いろいろな釣り方ができて面白かった。今年も楽しく釣りがしたいね」。21年も、夢中で釣りします。【赤塚辰浩】

▼山下橋「広島屋」【電話】090・8874・4624。集合6時30分。LTアジはコマセ・エサ(アオイソメ)付き9000円、シロギスはエサ(同)付き8500円。