落とし込みは船釣りだけじゃない。筏からでも楽しめる。ハマチやメジロが釣れ続く徳島・堂ノ浦のウチノ海へ先日、釣行した。同所の「細川渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)が設置した13号屋形に乗ると朝からマイワシが鈴なりで掛かり、青物の気配は濃厚。周りの屋形で65センチのメジロ、45センチのハマチがヒットした。記者は残念ながら本命を釣ることはできなかったが食べておいしい17~19センチのマイワシを150匹ほどゲット。潮の動きがいい日なら、青物の回遊が増えヒラメやマダイも期待できる。

小魚を針に掛け落として待つと、いきなり、ガンガンガンと竿先が絞り込まれる落とし込み釣り。そんなスリリングな釣りが船だけでなく、筏でも楽しめる。湖のように穏やかな海面が広がるウチノ海には鳴門海峡につながる水道からマイワシの大群が回遊してきており、それをメジロやハマチなどが追い回している。

釣り方はアミエビを上まきし、イワシをサビキで釣りながら時折、落とし込み仕掛けにもイワシを掛け、中層まで落として青物の回遊を待つだけ。上がったのは水道に近くて潮通しがいい13号屋形。水深は10メートルほど。

コツはイワシをくぎ付けにすること。適量のアミエビを上まきし、サビキと同調させてテンポよく釣っていく。イワシが連で掛かれば、暴れ回り、ほかのイワシの活性も上がり、落とし込み針にも掛かりやすくなる。そのため、テンポよく釣り続けることが大事。

イワシは大きいもので19センチあり、5連で掛かると竿がグッグッとしなり、結構楽しめる。食べても煮付けや、寿司ネタ、フライにてんぷらなど、抜群にうまい。周りの筏でも同様に青物を狙っており、午前7時ごろには16号屋形の吉田さん(高松市)が65センチのメジロゲット。吉田さんは今シーズン10匹以上のメジロ、ハマチを釣っている。巡回の船長から「もうすぐここにも回遊してくるよ! イワシの活性を上げて待っといて」とエールをもらう。この吉報にドキドキしながら、生きのいいイワシを釣っては中層でアタリを待つが、午前中は吉田さんの1匹のみだった。

潮の動きがいまいちなのか、青物がなかなか回遊してこない。それでも、午後2時ごろ、粘り強く釣っていた11号屋形のグループが3人同時にハマチやメジロを食わせ、竿を満月に。2匹はバラシしたが、阿南市の大野さんが45センチを釣り上げた。記者は午後からサヨリ釣りもする浮気心が裏目に出たのか、青物を仕留めることはなくサヨリも数匹どまり。イワシを150匹ほどキープして納竿となった。二兎を追うものは…と反省しながら筏をあとにした。【近江康輔】

【今後の見通し】隣接する鳴門海峡でメジロ、ハマチの入れ掛かりが続いている。かなりのマイワシが入っているウチノ海にも引き続き青物の回遊が見込まれ、しばらくは釣れ続きそうだ。潮が良ければヒラメやマダイも狙える。また、サヨリ釣りもお薦め。当日も四国中央市の田村さんが30~35センチの太い良型を釣っていた。まき餌の仕方、タナ取り、狙うポイントなどで釣果に差がでるので面白い。

【問い合わせ】細川渡船【電話】090・3180・3960。料金は屋形が4000円、カセは4500円。子供(小6まで)2000円。出船は日の出(日の出前30分に集合)。

【交通】神戸淡路鳴門自動車道・鳴門北ICを出て県道11号で鳴門市街方面へ。ボートレース鳴門前を左折。同42号に入り、瀬戸町明神の信号を右折。県道182号で堂ノ浦の細川渡船へ。