<釣りステーション>

 アオリイカがノリノリ中!

 トップシーズンのピークは過ぎた感があるものの、イカの仲間では「超」の字が付く高級イカでロングラン釣況がまだ続いており、ここにきて1キロ超の大型も乗っている。餌を模した餌木(エギ)で狙い、乗った時のズッシリとした重量感たっぷりの引き味が小気味いい。東京湾は横浜・鶴見の「新明(しんみょう)丸」の近況と合わせて釣り方も紹介する。

 「新明丸」では、アオリイカは1月中旬ごろから狙っている。当初はカワハギとのリレー釣りで、そんな短時間の釣りでも28日はトップが10匹、サイズも1・3キロの大型が乗った。

 アオリイカは5匹も釣れれば〈御の字〉とされる。以降、トップは2~6匹、日によってゼロが出たりバラつきが目立つものの、2月は4日に1・2キロ、6日は1・5キロが掛かり、8日も1・3キロの大型が釣れている。

 釣り場は、主に竹岡沖から下浦沖にかけて水深は40~50メートルラインが中心。出漁した日はナギ。ただ、潮の流れが不安定で時折、上層と下層の流れが異なる〈2枚潮〉にもなってタナが取りづらい。

 高橋英夫船長(41)の指示ダナは「ハリスの長さプラス2メートル底から上」。タナに合わせてからシャクり、すぐにサオ先を下げると、餌木がなじむ。ここでイカの乗りを待つ。7秒から15秒を目安に、乗りがなければ再びシャクり、これを繰り返すが、この日はなかなか乗らない。忙しく船がポイントの移動を繰り返すうち、船長助手として同乗し右舷ミヨシ(船首)でサオを出していた新明慶樹若船長(31)にヒット!

 500グラム余りの、ちょっと小ぶりながらアオリイカが躍り上がった。

 反対側のミヨシでは、450グラムのスミイカが掛かった。高橋船長によれば、スミイカのタナはアオリイカより低いという。要はタナ取りが指示ダナより下にあったということだろう。それでも、身厚で食べておいしいイカだ。

 結局、最後まで潮の流れは不安定でアオリイカは船中計2匹、スミイカは800グラムの大型を加えて3匹という結果だった。高橋船長は「潮況が鍵。安定すれば釣果はもっと伸びるはず」と話す。ちなみにアオリイカは3~5月が産卵期とされ、これから春の乗っ込みシーズンを迎える。ポイントもさらに浅くなり、サイズもアップし、2キロを超す超ド級も狙えるビッグチャンスだ。【長瀬川忠信】

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「新明丸」【電話】045・501・2081。餌木使用のアオリイカの乗合は午前7時30分出船、料金9000円。他にシャコ餌で狙うスミイカ(出船同7時30分で餌付き9000円)フグ(出船同8時で8000円)もあり。毎週木曜日定休。HP〈http://www.shinmyoumaru.com/〉

 ▼交通

 2月から新店舗に移転して乗船の受付をしている。店内はテーブルといすを設置し、釣り人たちの情報交換やコミュニケーションを図る絶好の場だ。電車はJR・鶴見駅か、京浜急行線・京急鶴見駅から潮見橋手前「新明丸」まで徒歩約2分。車利用の場合は詳細要確認。