怒りは第2次感情と呼ばれます。心の中にコップがあるとイメージして下さい。コップに毎日、「つらい」「苦しい」「不安」「寂しい」といったマイナスの第1次感情が注がれていきます。いっぱいになっているときに何かきっかけがあると、あふれ出して怒りになります。

 通勤電車が遅れた、肩が当たった-出来事は何でもいいのですが、イラッとする日もあれば、しない日もあります。違いは心のコップの状態です。マイナスの第1次感情でいっぱいのときは怒りになりますが、コップにたまっていないと、人は怒りません。

 良質の睡眠が取れれば、基本的にコップのマイナス感情は排出されます。睡眠不足が続いたり、疲れているのに十分な睡眠が取れないと、寝ている間に排出できず、朝から機嫌が悪くなります。

 怒っている人は何らかの第1次感情をため込んでいます。カスタマーサービスにパソコンが壊れたとクレームが入り、修理した。本来ならそこで解決するはずなのにクレームが、一向に収まらないという事例がありました。第1次感情を探っていったところ、大事なプレゼンをしなければいけなかったときに、パソコンが動かなかった、自分がかいた恥をどうしてくれるんだという思いが根にあったことが、分かったことがあります。

 人が怒っているとき、この人はどんな第1次感情があったのか察することは非常に重要です。第1次感情を見つけるのは、それほど難しいことではありません。怒っている人は実は「つらい」とか「寂しい」など、第1次感情を言葉にしています。