アンガーマネジメントは、怒りと上手に付き合うためのトレーニングです。怒る必要のあることは上手に怒る。怒る必要のないことは怒らなくて済むようにする。無駄にイライラしないための習慣についてお話しします。

 ひとつは愚痴を言わないことです。仕事を終えた後、居酒屋に行き、上司の悪口を言ったり愚痴をこぼすサラリーマンは多いと思います。愚痴はこぼせばこぼすほど、怒りのもとになった出来事を脳に定着させ、忘れられなくさせます。口に出して発散させているつもりが、逆に嫌な思いが記憶として染み付くのです。

 2つめは機嫌がいい日の自分を再現することです。機嫌がいいときは、笑顔で上を向いていると思います。イライラし始めると、厳しい顔をして下を向き、ネガティブなことを言い始めると思います。絶好調の日に自分はどんな表情をしているか、どんな言葉を使っているか、どんな振る舞いをしているか、記録してほしいと思います。イラッとしたとき、機嫌がいい日の自分を演じることで、表情がその感情を引き起こす「表情フィードバック」も起こります。周囲の反応も柔らかいものに変わるはずです。

 3つめとして、不便さに慣れることです。便利になればなるほど、人はイライラしやすくなります。LINEで既読なのに返事が来ないと、イライラする人がいます。スマホを見ない時間を1日何時間かつくる、外出するときはスマホは持ち歩かないのも1つの方法です。「絶対無理」と思うかもしれませんが、スマホがなかったときにどう過ごしていたか思い出してみて下さい。ふだんから不便さに慣れる練習をしていると、イライラは軽減します。