★テレビやネットに惑わされるな

 テレビやネットには、健康情報があふれています。怪しい情報にだまされてはいけません。今年「だまされない」(KADOKAWA)という本を出しました。

 少し前、朝バナナ健康法とか、リンゴダイエットとかが流行しました。もっと昔に話題になった紅茶キノコなどは、今ではもうほとんど信じている人はいないでしょう。

★命の教養と知識が大切

 怪しい情報に流されないためにはヘルスリテラシーが必要です。

 リテラシーとは「読み書き理解」に必要な能力のこと。実は、日本人はヘルスリテラシーが低いという調査結果が出ています。

 ボストン大学医学部の調査によると、どの生活習慣が自分の健康に関係しているか判断することについて、「難しい」と答えた人は日本では45・5%でしたが、オランダでは5・4%と大きな差がありました。

 オランダは、ヘルスリテラシーが高い国の1つです。

 病気になったとき専門家に相談するところを見つけることについて、「難しい」と答えた人は、日本では63・4%、オランダでは4・7%でした。

★治療の選択は生き方の選択

 いざ病気になったとき、正しい情報を、あなた自身の状況に置き換えて詳しく説明し、相談に乗ってくれるかかりつけ医のような存在が必要なのです。

 テレビ番組は、視聴率を上げるために作られたショー。おもしろければいいのです。しかし、自分の健康や命を支えていくには、正しい情報を理解して、生活習慣を変えていくことが大切です。

 治療の選択は、生き方の選択です。あなたらしい選択ができるように、ヘルスリテラシーを高めましょう。