<7>『運動不足解消のその場足踏み』

コロナの感染爆発による自粛に加え、猛暑や豪雨などの天候異常で、外出機会が失われた人はいる。その結果、ワクチン接種を終えた高齢者は、コロナの重症化リスクは減少したといわれるが、別のリスクが急増中だ。

「クリニックでの外来患者さんや高齢者施設への往診で、ご高齢の方の筋力低下やふらつきによる転倒が、昨年来増えました。また、認知機能の低下が進行している方も、非常に多くなっています。老若男女問わず、コロナ予防は重要ですが、工夫しながら日頃の健康管理も意識していただきたい」と、循環器内科医の櫻澤医院(埼玉県狭山市)の茂出木純子理事長は語る。

運動不足で外出の機会が減ると運動習慣は二の次三の次になりがち。仕事が忙しいとなおさらだ。高齢者のみならず、中年期以下の人も、運動不足では生活習慣病などの病気はもとより、腰痛や肩こりなどにも見舞われやすくなる。

「お勧めのご自宅での運動法は、その場足踏みです。筋トレをはさんだその場足踏みを3~5分、1日1~2回、お昼休みや夕方に行ってみてください」

その場足踏みは、<1>立った状態で30秒足踏み<2>スクワットなどの筋トレをできる範囲で行う<3>再びその場足踏みを行う。

「午前6時から同10時ごろまでは血栓が生じやすいので、この時間帯の運動は避けた方が無難です。やせたい方は、夕食前の午後4~同6時の間にウオーキングをすると効果的で、夜も寝つきやすくなります」