『血栓を退ける動脈硬化予防』

コロナ禍の外出自粛では、健康診断の受診も控えがちだが、コロナ太りや運動不足で動脈硬化のリスクが高くなっている人がいる。そのシグナルとなるのが、血液検査におけるLDL(悪玉)コレステロール値の「120 mg/dl以上」の異常値である。

「動脈硬化は、血管が変性することで血液の通り道が狭くなったり、血栓が生じて詰まるようなことも起こります。血栓が詰まる病気は心筋梗塞や脳梗塞、脚の動脈が詰まる閉塞(へいそく)性動脈硬化症もあります」とは、循環器内科医の櫻澤医院(埼玉県狭山市)の茂出木純子理事長。動脈硬化の患者を数多く診ている。

「新型コロナウイルス感染症では、動脈硬化が進行していると重症化のリスクも高くなるといわれています。日頃から動脈硬化予防にも、積極的に取り組んでいただきたいと思います」

LDLコレステロールが高く脂質異常症と診断されている人は、脂身の多い肉類など動物性脂肪のとり過ぎ、運動不足などを見直す必要があるという。

「動物性タンパク質は脂肪が多くなりますが、全く食べないというのもよくありません。脂身の少ない肉類や魚類、豆類などでタンパク質を補い、油は、植物性のオリーブオイルを適量活用しましょう。豚肉は赤身にもLDLコレステロールが含まれているので少なめに」

野菜や肉を焼くのはバターではなくオリーブオイルを使う。このようなちょっとした工夫で動脈硬化は退けられるそうだ。運動習慣の見直しは次回紹介する。