『頭痛の影の首こり・肩こり』

コロナ禍の外出自粛などでは、仕事はリモートワーク、余暇はスマートフォンやテレビで息抜きというのが、当たり前のようになった。だが、目は疲れ、しばらくすると頭痛が始まり、起きているのもつらい症状に見舞われてしまうことも。

「激しい頭痛のときには、脳出血などの病気に関わることがあるため、脳神経外科や脳神経内科を受診し、原因を調べてもらうことが重要です。ただし、脳に異常がない頭痛には、自律神経の乱れが関与することがあるのです」

こう指摘するのは、「せたがや内科・神経内科クリニック」(東京都世田谷区)の久手堅司院長。神経内科専門医、頭痛専門医、脳卒中専門医などの資格を持ち、数多くの頭痛患者を診断・治療している。

「脳の検査で異常が診られない頭痛を訴える患者さんに、触診をしてみると、首や肩が非常にこっていることが多い。でも、患者さんは肩こりや首こりに気づいていないのです」

首こりや肩こりは骨格のゆがみに起因することが一般的で、その結果、自律神経が乱れて頭痛などの症状につながるという。だが、頭痛に意識が向いて、根本的な首こりや肩こり改善には着手しないゆえに、頭痛、吐き気、全身倦怠(けんたい)感など症状が重なっていく。

「何が原因の頭痛なのか。それを知ることが第1歩です。脳に異常がない場合は、姿勢を正して骨格のゆがみを軽減するだけで、頭痛などの症状が軽くなることを知っていただきたい」と久手堅院長は話す。