<15>『体調不良を呼吸でリセット』

長引くコロナ禍では、たまったストレスを発散する機会も限られ、運動不足や食生活の変化による自律神経の乱れが加わると、体調不良を起こしやすい。だが、呼吸法で自律神経を整えることが可能だ。

「呼吸は自律神経の働きで一定のリズムが保たれていますが、ご自身の意思で行うこともできます。身体で唯一、自律神経の働きをコントロールできるのが呼吸ともいえるのです」

こう話すのは、「せたがや内科・神経内科クリニック」(東京都世田谷区)の久手堅司院長。「最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方」(クロスメディア・パブリッシング刊)などの著者である。

「息を吐くときには、自律神経の副交感神経が優位に働きます。仕事のストレスを感じたり、長時間のパソコン操作などのときには、吐くことを意識して呼吸をしましょう」

<1>ゆっくり3秒かけて息を吸う<2>そのまま3秒息を止める<3>ゆっくり6秒かけて息を吐く

息を吸ったときにお腹を膨らませる腹式呼吸の方が、副交感神経が優位になりやすいそうだ。寝て膝を立てると腹式呼吸は行いやすい。

「自分で意識して呼吸をすると、胸郭や横隔膜も動き、肋骨(ろっこつ)や背骨も伸び縮みします。呼吸と連動した動きになるため、骨格の歪みも、リセットすることが可能といえます」

骨格ゆがんでいると、脊髄を通る自律神経にも悪影響を及ぼす。呼吸で自律神経を整え、骨格のゆがみも正すと一石二鳥になる。