<16>『前屈姿勢のゆがみをリセット』

スマートフォンやパソコン操作をしていると前かがみになりがちだ。骨格がゆがみ、首こり、肩こり、腰痛などに加え、自律神経の働きが悪くなることを前回までに紹介した。

「骨格のゆがみは、こまめにリセットするとよいと思います。基本姿勢の『首周りリセット』と『胸まわりリセット』を試してみてください」と、「せたがや内科・神経内科クリニック」(東京都世田谷区)の久手堅司院長。「面白いほどわかる自律神経の新常識」(宝島社刊)の著者で、独自のリセット法を考案して患者を指導している。

「首まわりリセット」は、<1>椅子に座り肋骨(ろっこつ)の下に両手を添えて、肋骨が上がるのを意識しながら、鼻から3秒かけて息を吸う。このとき、首が後ろに無理のない範囲で傾ける。<2>3秒息を止める。<3>肋骨が下がるのを意識し、頭を元に戻しながら6秒かけて息を吐き切る。

「胸まわりリセット」は、<1>後頭部で両手をくみ、両ひじと手首を水平に保つ。<2>息をゆっくり3秒かけて吸いながら無理のない範囲で、胸を後ろに傾ける。<3>3秒止める。<4>息をゆっくり6秒かけて吐きながら、胸を元の位置に戻す。

いずれも1日3~4回、多くてもよいが、持病のある人は主治医に相談した上で、無理のない範囲で取り組むようにしよう。

「骨格リセットをこまめに行うだけでも、骨格から自律神経の乱れにアプローチできます。もちろん、がんばる必要はなく、クセになるように取り組んでいただければと思います」