(33)『座るスクワットで高血圧改善』

気温が低い季節には血管が収縮し、高血圧の人は血圧が高くなりやすい。コロナ禍の通院控えなどで血圧のコントロールが不十分な人はなおさらだ。

「患者さんに減塩を指導しても、なかなか続けることが難しい。そこで、血管を広げる物質・一酸化窒素(NO)を増やす『座るスクワット』を勧めています」とは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。「薬に頼らなくても高血圧は改善できる 1日5回×3で奇跡の物質NOが増える 栗原式『すわるスクワット』」(笹倉出版社)などの著者である。

方法は次のとおり。

<1>イスの前に立って両脚を肩幅に広げる(テーブルなどにつかまってもOK)

<2>お尻を突き出すようにしながらゆっくり膝を曲げて、腰を下ろしていく

<3>イスの座面ギリギリのところで、お尻がつかないようにしながら止めて10秒キープ

<4>10秒たったらイスに座り、脚の力を抜いて10秒間休む。<1>~<4>を5回繰り返して1セット。朝・昼・夜に1セットずつ行う。

「高血圧の患者さん15人に取り組んでいただいて、2週間で14人の血圧が明らかに下がりました。血管の拡張作用のあるNOは、筋肉を緊張させた後、弛緩(しかん)させたときに産生されるのです」

座るスクワットでは、腰を落として座面の上の10秒キープのときに筋肉が緊張する。座ったときに筋肉が緩むと、血管壁の内側の内皮細胞でNOが増えて血圧が下がる仕組み。無理のない範囲でお試しを。