■握力低下はサルコペニアの前兆

サルコペニアという言葉を聞いたことがありますか。サルコは筋肉。ペニアは減少。加齢性筋肉減少症のことを言います。ペットボトルや瓶のふたが開かない経験のある方は要注意です。

■握力低下は寿命が短くなる

九州大学が福岡県久山町で行った大規模疫学調査では、握力が低下すると寿命が短くなるという結果が出ています。

カナダのマックマスター大学の研究チームが世界の14万人を対象に行った調査によると、握力が5キロ低下すると、死亡リスクが16%上がることが判明しました。同大学が行った調査では、握力が高い学生ほど勉強や運動能力が優れていたという結果も出ています。

しかし、だからといって、握力を鍛えればすべてが良い方向に行くというわけではありません。握力は全身の筋肉の状態を表すひとつの目安と考えた方がいいでしょう。

■壁立て伏せ

腕立て伏せが出来る人は、腕立て伏せをやりましょう。通常の腕立て伏せはできないという女性や高齢者は、壁に手をついて、壁から70センチほど離れて立ち、負荷をかけます。この時、壁に指を立てるようにすると、握力の強化になります。

もう1つは、ペットボトルを使った運動です。両手にペットボトルを1本ずつ持って、肘を伸ばしたまま手首を上げたり下げたりする動作を、10回続けます。指に少しだけ力を入れるように意識するのがポイントです。

握力低下に注目してみてください。