■認知症にならない生活習慣

認知症のリスクを下げるには、毎日の頭の使い方も大事です。

イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究では、認知刺激が強い労働に従事している人は、認知刺激が弱い労働についている人に比べて、高齢期に認知症になるリスクが低いということがわかりました。青年期から頭を使うことは、中高年になっても認知症の予防につながるということです。

■仕事の質を上げる

マニュアル化された流れ作業や、自動的な単純作業は、認知が低い産業とみなされています。そういう仕事の中でも、できるだけ認知機能に刺激を与えることが大事です。

例えば食堂で働いている場合、お客さんの顔を覚えたり、満足度を上げる工夫をしたりすることで、脳は活性化します。認知症予防のために、仕事を変えることは簡単ではありませんが、出来るだけ認知刺激を高くする工夫はできるのです。

■手書きで脳を刺激

認知機能を高めるためにお勧めしたいのが「手書き」です。1日の終わりに日記を書く、読んだ本の感想を書く、友人に手紙を書く、といった時に、ぜひ手書きをしてみましょう。ぼくは毛筆でお礼の手紙を書きます。

昨年「鎌田實の大人のいきいき健脳ドリル101」(二見書房)を出版しました。記憶力や注意力、判断力、空間認知能力などを刺激する、楽しいドリルが101日分掲載されています。好評につき第1巻、第2巻と出て、初夏には第3巻が発売される予定です。楽しく頭を使って、認知機能を向上させましょう。