■薬はできるだけ少なめに

週刊誌などでよく「断薬名医」などと言って、薬をどんどん切るドクターを取り上げています。一面正しいのですが、高血圧の薬などやたらに切ってしまうと脳出血など起こして後悔が残る場合もあります。安易に薬を切ったり減らしたりはできません。今回は、減らせる物は減らした方がいい、という視点で述べてみたいと思います。

■胃薬とアレルギー薬に注意

ベルギーのゲント大学の運動生理学のチームが面白い研究を行っています。ヒスタミン受容体抑制の薬を飲んでいると、筋肉の毛細血管形成が少なくなり、内皮細胞の形成に不可欠な内皮型一酸化窒素合成酵素の上昇が見られなかったと結論付けています。

つまり、本来は運動すると一酸化窒素が多く生成され血管がしなやかになるのですが、ヒスタミン受容体抑制の薬を飲んでいると、その作用が阻害されるというのです。せっかくの筋活が台無しです。

例えば、アレルギー性鼻炎薬のアレグラや、胃薬で有名なザンタックなどが、ヒスタミン受容体遮断薬の一種です。

胃潰瘍の患者さんにとって大変重要な薬も、潰瘍が治った後まで、なんとなく飲み続けてしまうと、毛細血管の新生を阻害する場合があるということです。アレルギー性鼻炎がある人は、自分のアレルギー症状が出る、例えば花粉の季節に限って、抗アレルギー剤を飲むことが大事です。

漫然と抗アレルギー剤や胃薬を飲まないようにしましょう。