■骨粗鬆症とは

今回からは、骨粗しょう症についてお伝えします。骨粗しょう症は、骨の量(骨密度)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気で、日本に約1000万人以上の患者さんがいると言われています。

進行していくと、ちょっと尻もちをついたり、手をついただけで骨折してしまいます。3大骨折部位は、背骨(胸椎・腰椎圧迫骨折)、太ももの付け根(大腿=だいたい骨近位部骨折)、手首(橈=とう骨遠位端骨折)です。背骨や太ももの付け根を骨折すると活動性が低下し、特に大腿骨近位部骨折の場合は寿命が短くなるというデータも出ています。

全身の骨は常に古い骨を溶かすこと(骨吸収)と新しい骨を作ること(骨形成)を繰り返しています。骨粗しょう症はこのバランスが崩れることで生じ、進行すると骨がスカスカになって骨折しやすくなります。骨粗しょう症は圧倒的に女性で多く、女性ホルモンの減少が起こる閉経後に急激に進行していきます。

女子長距離選手など体重を制限してハードにスポーツを行う選手では、ホルモンのバランス障害が起こりやすく、若くても骨粗しょう症になることも少なくありません。

一般女性の場合は50歳を超えたら、一度、骨密度を測定することをおすすめします。そして骨密度が低い方は定期的に検査を行い、治療が必要な方は早めに治療を始めることも大切です。読者のみなさんは男性が多いと思いますが、ご家族に50歳を超えた女性がいたら、ぜひ、整形外科での検査をおすすめください。