腰椎分離症

みなさんのお子さんやお孫さんに、腰椎分離症のためスポーツは禁止と言われている方はいませんか。

腰椎分離症はスポーツを活発に行うお子さんに多く発生し、腰痛で整形外科を受診した高校生までのお子さんの約40%に生じています。分離症はスポーツなどによる度重なる腰へのストレスにより、腰椎椎弓部に疲労骨折が生じることから始まると考えられており、発症初期はエックス線ではわかりませんが、MRIによる精査で極初期の段階の疲労骨折を確認できます。

ちなみに当院を受診された高校生までの腰痛の方で、分離症を疑いMRIを撮影した方の約40%に疲労骨折が認められました。この疲労骨折は放置すると進行し、エックス線でもわかる完全分離(偽関節)となる可能性が高くなります。

偽関節になるとその後にすべり症となることがあり、特に小学生など年齢が若ければ若いほどすべる確率が増えると報告されています。そしてすべった部分で神経圧迫が生じて脚のしびれや痛みが生じることがあり、手術加療が必要となることもあります。

すべらないようにするには、偽関節にならないようにする、そのためには初期のうちにコルセットを装着するなど適切な治療を行い、しっかりと腰の安静を保つことが必要です!初期の分離症(疲労骨折)の95%は適切に治療すれば3カ月ぐらいで治ります。小中学生の場合はすべる可能性がありますので、しっかりとコルセットを装着した治療を行うことを推奨します。