<16>機能性歯ブラシの特徴

ツール選びの中で、特に重要なのは毎日使用する歯ブラシの選択です。自分の口に合ったものを使っていなければ、効率良く磨けず、時間の無駄になってしまいます。

私たち歯科医師や歯科衛生士が患者さんそれぞれの口の中を診て、適したものを選択して購入していただくものを「歯科医院専売品」と呼んでいます。個人の歯並びに合わせて、理想的な当て方なども指導できる点がメリットです。

一方、ドラッグストアやスーパーなどで購入できる「一般市販品」は自分の好みによって自由に選ぶことができます。私の場合は、「この色かわいいな」とか、「持ち手が握りやすそう」といった見た目重視で選んでいますが、実際に使ってみると案外使い心地が悪かったりと失敗もしています。

実際の患者さんたちは、普段使いに毛先の形がユニークな商品を選択されている傾向にあります。例えば<1>複数の太さの毛が組み合わさり真ん中に長い毛が出ているようなもの<2>ゴムのブラシがナイロンの中に混在しているもの<3>毛先が先細りになっているもの、などです。こうした歯ブラシは個々のブラッシングテクニックを補う「機能性歯ブラシ」に分類されるのですが、性質を理解して使わないと歯や歯ぐきを傷める原因になってしまいます。

<1>は細かく動かすのが苦手で歯と歯の隙間を掃除できていない方、<2>は炎症を起こした歯ぐきがありマッサージ効果を狙いたい方、<3>は弱い圧力で丁寧にじっくり時間をかけて磨きたい方、とそれぞれ目的がはっきりしています。しかしながらよくある間違いが、ゴシゴシ磨きたいからと<3>を選んでしまうようなケースです。スタンダードな形態の歯ブラシをメインに、必要に応じて機能性歯ブラシを加えると良いでしょう。夜のブラッシングがいちばん大切です。