東京大学高齢社会総合研究機構の研究によれば要介護状態にない65歳以上の高齢者において、自分の歯が20本未満、かむ力、舌の力が弱い、半年前に比べて硬いものが食べにくくなった、お茶や汁物でむせるなど口の働きが衰えると介護リスクが高くなるという。そうした報告をもとにしたアプリが「おくち元気チェック」。大手日用品メーカーのサンスターがリリースした。

年をとり硬いものが食べづらくなったり、食べこぼしや飲食時にむせるようになることが増えるが、たとえばかむ力が衰えると軟らかいものばかり食べるようになり栄養がかたよったり、滑舌が悪くなることで社会参加が乏しくなる。ささいな口の機能の衰えが栄養、体力・筋力の低下を引き起こし、気持ちの落ち込みにもつながるというわけで、結果的に全身のフレイル(虚弱)を引き起こす「オーラル(口腔)フレイル」をいち早く見つけてその予防につなげようというのが狙いだ。

このアプリでは東京都健康長寿医療センターの協力による8つの質問に答えるだけでオーラルフレイルのリスク度、口の渇き(乾燥)、かむ力、発音等が簡単にチェックできる。結果はレーダーチャートで表され、過去の記録をさかのぼることもできる。気になる症状があれば歯科医等を受診するよう勧めている。

 

筆者の評価=3点満点

医療者等による監修:★★★

見やすさ、使いやすさ:★★★

症状等のチェック機能:★★★

アドバイスの充実度:★★☆

Android、iOS対応(Google Play・Apple Storeからダウンロード可能)/無料