暑さが続く毎日、道行く人がペットボトルを口にする光景をよく見かけます。お茶やミネラルウオーターだけでなく、結構な確率で糖分が入った飲み物を口にされている方に遭遇しますが、実はこの習慣は口にダメージを与える危険な行為です。

ビスケットやチョコレートといった甘いものを食べると虫歯になる、逆にいえばそういった食品を頻繁にとっていなければ大丈夫だろうという、偏った認識が広まっているからかもしれません。虫歯発症の鍵を握るのは「糖質」「虫歯菌」「時間」という要素です。糖質が入ると虫歯菌がそれを餌に増殖し、酸性の物質を放出します。これによって口の中が酸性に傾き、歯が溶けやすい環境になります。

一時的であれば、唾液の持つ緩衝作用で徐々に中和され30分ほどかけて元の状態に戻るのですが、持続的に甘いものが放り込まれると酸性に傾きっぱなしの口が出来上がります。例えば新幹線で2時間の旅をする際、ずっと甘いものを飲み続けていたとしたらどうでしょう。歯にとってはケーキを2時間食べ続けているのと何ら変わりないリスクです。「ダイエットのために」と果汁入りの野菜ジュースをちびちび飲み続けるより、喫茶店でケーキセットを頼み紅茶を飲んで終わるほうが、歯にとってはむしろ安全といえます。

意識すべきは、糖質を口の中にとどめておく時間を極力短くするという心がけです。甘味を感じる飲み物全般はもちろんのこと、お酒やスポーツドリンクなども同様ですから注意してください。危険を回避する最も簡単な方法は、チェイサーとして常に水を用意しておくこと。飲食の度にひとくち水を含み、すみずみまでしっかり行きわたらせると素早く中和できます。