クリニックでお子さんの治療をする際、普段使っている歯ブラシを持参してもらい歯磨き指導をしています。家庭によってセレクトが実にさまざまで、非常にユニークな形状のものを通信販売で取り寄せている、あるいは柄の長さやヘッドの大きさが年齢に全く合っていない大人用のものを使っているケースも珍しくありません。
親御さんが仕上げ磨きの際に強い力でこすりすぎるあまり、驚くほど立派に毛先が開いていることもあります。できるだけ早い段階でオーラルケアの習慣を身につけ、子どもに多く見られる虫歯リスクの高い時期を乗り越えるためには、「歯磨きは心地いいもの」と感じられるようなアプローチが重要です。このためには、お子さんの月齢や年齢に応じて、使うアイテムを工夫していくと良いでしょう。
最初の歯磨きは、乳歯が生え始める生後8カ月くらいをめどに始めていきます。気を付けなければならないのは、ここでいきなり歯ブラシを口の中に突っ込みゴシゴシ当てるやり方です。いくら歯が生えてきたといっても、頭を出している白い部分よりも周りの歯ぐきに毛先が当たる確率が高いのです。大人に例えるならば、ピンク色の歯ぐきを硬めのブラシで傷つけられているのと同じことです。まずは歯ぐきに当たっても痛みを感じないガーゼなどを使い、そっと拭き取るやり方で慣らしていきましょう。
歯以外の部分を優しくマッサージしてあげることも効果的です。不快感や痛みがなければ、口の中に異物が入ることを嫌がらなくなります。歯がだんだん生えそろってきたら乳児用の歯ブラシを用意し、反応を見ながら磨くようにしてください。当てずっぽうでゴシゴシは、大人でも子どもでもNGです。

