子どもに歯磨剤を使わせるかどうかという考え方は、家庭によってばらつきがあるようです。定期検診に訪れたお子さん達には、普段の嗜好(しこう)を尋ねながら歯磨剤を選択し、歯ブラシ指導に活用しています。好きなフレーバーのものを口に含み楽しみながら歯磨きをする様子もうかがえ、早い段階からオーラルケアが生活の一部になっている感もあります。

成人を対象とした歯磨剤は清涼感を追求したミント系が主体なのに対し、小児用歯磨剤は子どもが好むフルーツ系の香りや味が添加されていることが多く、ほとんどの製品に虫歯予防を目的としたフッ化物が配合されているのが特徴です。役割を簡単に説明すると、歯の再石灰化を促し、虫歯になりにくい強い歯を作るのがフッ素の働きです。

フッ化物の虫歯予防効果については、1974年(昭49)にWHO(世界保健機関)が勧告を出し、エビデンスに基づいた推奨をしています。わが国での基本的な考え方は、2003年に厚生労働省から発表された「フッ化物洗口ガイドライン」や、05年に日本学校歯科医会が出した「学校における学校歯科医のためのフッ化物応用ガイドブック」等に準じています。

フッ化物応用には<1>局所応用(歯面塗布、フッ化物洗口、フッ化物配合歯磨剤)<2>全身応用(水道水フッ化物濃度調整、食品へのフッ化物添加、フッ化物錠剤および液剤)の2種類がありますが、日本では現在<2>は行われていません。適正な使用方法を順守すれば、フッ化物の急性あるいは慢性中毒が生じる可能性は極めて低いと言われています。初期虫歯や、生まれつきの形成障害などで歯質が弱い部分に対しては特に高い予防効果が期待できますので、お子さんが嫌がらなければ、ぜひ歯磨剤を併用してください。