肝臓病の場合、直径10センチの肝臓がんであっても症状がなかったという患者さんもいます。だから、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。しかし、まったく症状がないかというと、症状はあっても本人が気付かないだけということも--。それでは、肝臓病の「危険なサイン」を紹介しましょう。
「尿」「便」「手のひら」「皮膚」などに症状が出ます。まずは尿です。尿が薄黄色ということはよくあります。心配されるのはその黄色みが強く、さらに尿のにおいが強いケースです。「便」の場合は、茶色の弁ではなく、「白色便」がサインとなります。「手のひら」の場合は、手のひらが赤くなる「手掌紅斑」。そして「皮膚」の場合は、首とか胸のところなどにくもの巣のような「くも状血管腫」がでてきます。
このような症状があるときは「肝臓に病気があるのでは?」と思われる身体所見と思ってください。とりわけ、白色便の場合はビリルビン代謝がうまく行われていないということなので、極めて重い疾患の可能性があります。私たちの血液の赤血球は、古くなると破壊されて肝臓で作られる胆汁のビリルビンとなって排出されます。その胆汁が食べた物と混ざらないために白色便になるのです。
これらの症状が出ていると、その原因が肝臓の場合、病気はかなり進行している可能性があります。見て見ぬふりをすることなく、少しでも早くかかりつけ医の診察を受け、専門医を紹介してもらいましょう。かかりつけ医がいない方は、総合診療科を受診するのが良いと思います。そして、的確な診察を受けられるところを決めてもらって受診しましょう。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

