今日、患者さんの増加で注目されている肝疾患といえば、「非アルコール性脂肪肝(NAFLD=ナッフルディー)」。これは、進行すると「非アルコール性脂肪肝炎(NASH=ナッシュ)」に、さらに「肝硬変」「肝臓がん」へと進んでいきます。このNAFLDは食べ過ぎ、運動不足、肥満などがあると肝臓に脂肪が蓄積し、進行します。NAFLDには有効な治療薬がありません。現段階で最も有効なのは「運動」と「食事」を改善することです。
運動は、生活習慣病で強く勧められている「有酸素運動」が効果的です。有酸素運動と言えば、ウオーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などです。日本肝臓学会で推奨しているのは、「運動強度を少し高めながら1回の運動量は最低45分行いましょう」と。ウオーキングも30分ではなく45分を週に3回は行う。 そのウオーキングがより効果的なのは、まず普通に10分歩くと、次の10分は歩幅を広げて少しスピードを上げて歩きます。そしてまた普段の歩きに戻す。これを繰り返して行うとじわっと汗が出てきます。米国ではこの運動を積極的に取り入れています。あとは、自宅でのストレッチ。これを実践すると体重の減少、全身の脂肪の減少に有効と報告されています。また、ストレッチで少しでも筋肉が増えると睡眠中に脂肪が燃焼します。
食事の基本は減量です。肥満や糖尿病の方が少なくないので、できれば炭水化物や飽和脂肪酸(動物性の肉やバターに多く含まれている)は避けるように--。そして、食物繊維と不飽和脂肪酸(魚や植物の油に多く含まれている)を摂取するのが大事です。こういう食材で、おいしい料理を作りましょう。もちろん食べ過ぎないように--。
加えて、朝昼晩とコーヒーを飲みましょう。1日3杯のコーヒーを飲んでいる人の方がNAFLDの肝硬変へのリスクを軽減したことがポルトガルの・コインブラ大学の研究で報告されました。取り入れてみるのも良いと思います。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

