肝臓がんが疑われて「腫瘍マーカー」「肝機能検査」「超音波検査」「CT検査」「MRI検査」を行うことで、肝がんの有無がわかります。それだけではなく、画像検査をしているので、肝臓がんの病期(ステージ)もわかります。

肝臓がんのステージでポイントとなるのは次の3点。<1>がんの大きさ(2センチ以下)、がんの数(1個のみ)、がんの肝臓内の広がりなど肝臓の状態(血管に広がっていない)。<2>リンパ節転移の有無。<3>離れた臓器への転移の有無。これでステージは決まります。

◎1期=がんの大きさは2センチ以下で数は1個。肝臓内の血管にがんは広がっていない。

◎2期=<1>の条件の2つが当てはまる。

◎3期=<1>の条件の1つが当てはまる。

◎4A期=<1>の条件にすべて当てはまらない。あるいは、<1>の条件に関係なくリンパ節に転移している。

◎4B期=<1><2>の条件に関係なく、離れた臓器に転移している。

肝臓がんの基本治療は「手術」。その適応は基本的にステージ1~3の場合ですが、ステージ4でも条件によっては手術が可能な場合もあります。そこで、私たちは患者さんに最も適した治療を決めるために、消化器内科、消化器外科、腫瘍内科、放射線科が一堂に会して“肝臓がんのカンファレンス”を行っています。そこで患者さんのがんの状態に応じて、適切な治療を話し合って決めています。

肝臓がんは「手術が基本」ではありますが、なんでも切ってしまえばOKというのではありません。<1>「残った肝臓がきちっと機能してくれるか」、<2>「肝臓のどれくらいの容積を切っても大丈夫なのか」、この2点を把握することが極めて重要です。私たちはこの2点を常に考えて治療選択に生かしています。

(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)