患者さんの疾患が「肝臓がん」とわかると、すぐに入院治療になるのではありません。患者さんの状態やがんの病期(ステージ)に応じて、どの治療が適切かを判断します。まずは、外科、内科、放射線科、腫瘍内科の4つが集まってディスカッションをします。そして、患者さんの希望も聞いて、「外科手術が希望」ということであれば、外科の外来に来ていただくことになります。

さらに、外科では術前カンファレンスを行って「どのような手術が適切か」を話し合い、患者さんにベストな外科手術を決定し、ご提案しています。これで患者さんは入院になりますが、入院に際して必要なことも行ってもらいます。それには、看護師、薬剤師、リハビリテーション科医、麻酔科医、歯科医も関わります。

歯科医は歯をチェックします。高齢になると歯と歯の周辺の状態が悪い方が多い。歯周病の状態が悪い方などは事前に治療をします。歯周病が進行している場合は、高侵襲な手術を受けたときに免疫力が一時的に低下するので、一気に歯髄炎を起こして重篤な状態になることも、まれにあります。また、歯がぐらついている方は、全身麻酔をかけて気管内挿管をするときに歯が抜けることがあるからです。

薬剤師は、患者さんが常用している薬の話です。なかには血が止まりにくい薬を服用している方もいます。薬剤師は、その薬をどうするかを指導します。それぞれがしっかり対応して入院となります。チームワークが大切なのです。

低侵襲手術であれば、通常は7~10日くらいで退院に。もっと早く4、5日で退院する方も多くなりました。腹腔(ふくくう)鏡手術・ロボット手術時代だからです。そして、退院後の最初の外来は3、4週間後で、それ以降のフォローは3、4カ月に1度になります。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)