今年、日本肝臓学会は奈良で開催した第59回の学会総会で、「奈良宣言2023」を発表し、「Stop CLD(慢性肝臓病)」を明確にアナウンスしています。つまり、慢性肝臓病の方々が増え続けているということです。それを抑え、さらに減少に向けるには、「生活習慣の改善」が重要で、それには「食事」「運動」「アルコール」などがあり、前3回で説明しました。今回は「沈黙の臓器」の肝臓だからこそより重要になる「定期健診」を取りあげます。
会社勤めの方々は、会社から指示されて年に1回は定期健診を受けます。一方、自営業で経営側にいる方々は、意外とご自分は健診を受けていない方が多い。支えていかなければならない従業員や家族がいるのです。自分自身の健康を守ることが、従業員、家族の健康を守ることと考えてもらうと、自分自身も健診を受けるようになると思います。
そして、家庭では妻が夫に、夫が妻に「健診、受けた? 受けようね」と受診を促しましょう。その時に、「健診イコール異常を見つけに行く」という感覚になるのはよくありません。そのように思うと、「何か見つかったらどうしよう」と恐れをなしてしまいます。そうではなく、万が一、何か異常値として出てきた場合でも、早い段階で見つかればいろんな治療法があるので、元気になることができます。健診を受けていないと、治療の選択を狭めることになりかねません。
症状が出て来てから「何か変だ!」と大騒ぎするのではなく、普段から身体に十分気を付けて、「健康を維持するぞ!」と思って定期健診を受けてください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

