ついこの間まで猛暑にへきえきしていたのに、関東では急に秋らしい気候になってきました。温度変化に体が追い付かず、調子を崩す方も少なくないかと思います。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症対策には適切な口のケアが鍵を握ります。健康に年を越すためにも、この冬はぜひオーラルケアをブラッシュアップしてください。

私たちの口は常に唾液で覆われており、通常では外敵の侵入を許さない仕組みができています。埃やアレルゲンなどの有害成分をキャッチして外に追いやる働きや、抗菌作用によって細菌の増殖自体を抑える効果を持っています。そんな素晴らしい唾液のパワーをはねのけてしまう可能性があるのが、人類の敵ともいうべき歯周病菌です。

この菌は「プロテアーゼ」というタンパク質を分解する酵素を出すことがわかっており、歯周病に罹患(りかん)すると組織がただれて破壊されるのはこのためです。口の中にこうした悪玉菌が漂っていると、歯ぐきや歯を支える骨だけでなく、喉の粘膜も攻撃され傷だらけになります。こうなると体を守る防波堤があっという間に決壊し、ウイルスが体内に侵入する経路が容易にできてしまうのです。さらに歯周病菌は、インフルエンザウイルスの増殖を助ける酵素も出すと言われており、罹患(りかん)してからも実に厄介です。

普段からセルフケアをきちんと行い、こうした感染症にかかりにくい心がけを持つことは大切ですが、万が一かかってしまった場合でも、口の中を清潔に保つことが早い回復を促します。喉が腫れて痛みを感じる、あるいは発熱しているような状況下では、喉越しの良いアイスクリームや清涼飲料水に頼ることがあるかと思います。極力歯磨きをして寝るのがベターですが、体調が許さない場合は摂取直後に水で洗い流す含嗽(がんそう)だけでもしっかり行ってください。