「食道がんは症状の出るのを待っていたのでは遅い!」と、前回強調しました。

それは、食道がんは早期には自覚症状がほとんどないからで、気付いた時は進行がん、なのです。そんな食道がんを早期発見するには、「定期的に内視鏡検査を受ける」。これしかありません。

内視鏡検査では口、もしくは鼻から内視鏡を挿入し、先端についているカメラ画像をモニターに映し出します。食道がんは内部の表面の扁平(へんぺい)上皮(粘膜上皮)に出ていてもよくわからないのです。その時は色素(ヨード)を散布すると、正常組織は変色しますが、がん部分は染まりません。これで診断がつきます。

最近の内視鏡は、がんの部分だけが黒っぽく見えるようになりました。この機能は内視鏡についているボタンを押して機能を切り替えるだけでできます。さらに、AI内視鏡も登場してがんを発見できるようになり、腫瘍と非腫瘍の正診率は95%。今やトップレベルの内視鏡医とほぼ同レベルと言われています。

ただし、健診で内視鏡検査を受ける場合、内視鏡医は口から内視鏡を挿入し、胃はしっかり見るのですが食道はスーッと通過してしまいがちです。そして、内視鏡を抜くときもパッと抜いてしまいます。だから、食道がんを見逃さない検査を受けるには、内視鏡を専門としているクリニックでの検査が良いと思います。そこで検査を受ける時も、頸部(けいぶ)にできる食道がんが最も見つけにくいので、内視鏡検査の前に「食道をしっかり見てください」と一言お願いすると見逃しは激減します。

早期発見の内視鏡検査は、「胃は2年に1回」と言いますが、食道は見逃しやすいので「1年に1回は受けましょう!」。年齢的には50歳になったら実践しましょう。(医学ジャーナリスト・松井宏夫)