転移しやすい「食道がん」なので、内視鏡治療ですめば患者さんはホッとしますが、メインの治療は手術です。その手術を受けるにはどの病院で受けるべきか、どの患者さんも大変悩まれます。そこで、今回は「食道がんの病院選び」について紹介します。

第1は、「病院の食道がん手術数を知る」。2022年、食道がん手術数が全国で最も多い病院は、国立がん研究センター中央病院で年間177件。私たちは106件で全国第7位でした。

そして、2016年から100例を超える手術を行っています。手術を安心して受けるには、私は「手術数は年間20件以上」と患者さんに話します。食道がんの手術自体がそんなに多くはないので、20件を超えていると大丈夫です。それが30件を超えていると手術数の多い病院に入ります。手術数を取りあげた本も出ていますし、インターネットでもわかります。

第2は、「専門医を持っている医師が集まっている」。学会によって専門医制度を作って、専門医として認められた人が専門医を名乗ることができます。食道がんであれば、「食道外科専門医」「内視鏡外科認定医(胸腔=きょうくう=鏡手術の認定医)」「ロボット支援手術プロクター(ロボット支援手術の指導医)」がきちっと在籍しているか、です。この3つを持っている医師がいると安心できます。

第3は、「最初に、食道がんでは? と発見してくれた主治医のアドバイス」。その主治医は、推薦できる病院を知っています。私どもに紹介されてくる患者さんも、主治医からの紹介が多い。もし、主治医の紹介先と患者さん自身が選んだ病院が違っていた時は、しっかり納得できるまで話し合うべきです。

加えて、手術のうまさでは合併症が多いか否かも関係しますが、それは次回の「食道がんの病院選び<2>」で-。(医学ジャーナリスト・松井宏夫)