「食道がん」は、再発、また手術をしてもリンパ節転移のあるケースがかなりあります。この場合、「術後補助療法」が行われます。それには、再度、化学療法で対応する方法がありますが、今、その術後補助療法に大きな変化がでてきました。
それが「免疫療法」です。免疫療法とは「免疫チェックポイント阻害薬」を使って行う治療です。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞のT細胞ががん細胞を攻撃する働きにブレーキがかからないようにする薬です。この免疫チェックポイント阻害薬は、食道がんの術後再発のケースに術後補助療法として行われていました。それに対して、予防的追加治療が保険適用で1年間だけ認められ、予防投与ができるようになったのです。
その予防的追加治療は、「リンパ節に転移のあった症例」「がんの深さが深い進行がんの症例」などで、積極的に使用します。それだけで再発率を下げることができます。これに合う人は予防投与を1年間行います。最初は2週間に1回の点滴です。それが3カ月終了すると、その後は4週間に1回の点滴投与になります。点滴の時間は1時間程度です。
今、使われている免疫チェックポイント阻害薬は「ニボルマブ(オプジーボ)」「ペムブロリズマブ(キイトルーダ)」「イピリムマブ(ヤーボイ)」で、それを1種類だけ使う以外に、2つを組み合わせる使い方も行われています。これが保険適用になったので、高額療養費制度が使えますので、高額な費用は必要なくなりました。
医療費がほとんどかからなくなった免疫療法の効果は高く、生きる時間が単純に延びるだけではなく、QOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)を保ったまま延命効果があります。それが大変有効な点です。(医学ジャーナリスト・松井宏夫)

