体内時計の研究は、時間栄養学という新たな分野を開いた。「何を食べるか」という栄養学に、「いつ食べるか」という時間の視点を組み込んだ興味深い学問だ。
トマトは朝がいい
例えば、トマトに含まれるリコピンは、朝とるほうがよく吸収される。リコピンには動脈硬化の原因となる血管の酸化を防ぐ作用(抗酸化作用)があるので、トマトを食べるなら朝がいい。
魚油も朝がいい
また、脳の血管や若返りによいと言われる魚の油(DHAやEPA)も、朝のほうが吸収がよいことがわかっている。魚の油は脂質代謝を高めて体脂肪の蓄積を抑える働きがある。朝、魚の油をとると、血中の中性脂肪が低下し、脂質の合成にかかわる遺伝子の働きが抑制されることが明らかにされている。昔から朝食の定番として、サケやイワシなどの焼き魚や煮魚を食べるのも、理にかなっているということだ。
サバ缶がオススメ
ぼくの患者さんに、90歳を越しても認知機能が正常で、畑仕事に精を出している人がいる。この方は、野菜をたっぷり入れた具だくさんみそ汁に、サバ缶を汁ごと入れた特製のみそ汁。魚のタンパク質も朝が一番筋活にいい。
サバの缶詰は、生のサバよりもDHA・EPAのいい油が多く、骨ごと食べられるのでカルシウムも豊富。この方が元気なのは、たんぱく質をしっかりとっていること、DHA・EPAの善玉の油で血液の流れをよくして脳梗塞(こうそく)を予防しつつ、脳のキレも保っていることに関係するのではないかと思う。

