「たかが肥満、されど肥満」-。体重が増えてくると、病気が増え、いろんな状況が積み重なって、“ドミノ倒し”のようなことが起こってきます。「運動不足」「食べ過ぎ」といった生活習慣の乱れが、私たちを「肥満」に導きます。

肥満は他の生活習慣病と同じで、心配しなければならないし、決して甘く考えてはいけません。いや、それ以上に生活習慣病を導く根源にあるのが肥満です。だから、肥満をほうっておくと様々な健康障害を引き起こすことになります。

とりわけ、問題なのが11の肥満関連疾患です。減量すればその関連疾患を抑えることができますが、減量はそんなにたやすいことではありません。だから、病気の「肥満症」の人が多いのです。11の肥満関連疾患が進行すると生命に関わることを知って、しっかり対応しましょう。

肥満関連疾患の中でもとりわけ注意が必要な「糖尿病」は、血液中のブドウ糖(血糖)が増えすぎる病気。内臓脂肪が増えると、膵臓(すいぞう)から出る血糖値を下げるインスリンが十分に働かなくなり、血液中のブドウ糖が増え、血管内壁が傷つけられます。結果、動脈硬化が進行します。

続いて注意が必要なのが「高血圧」。肥満の人は正常体重の人に比べて2~3倍高血圧症になりやすい。高血圧が続くと血管内壁が厚く硬くなり、動脈硬化を進めてしまいます。

「 脂質異常症」は内臓脂肪が増加すると中性脂肪が増え、HDLコレステロールが減り、動脈硬化を進めます。「心筋梗塞・狭心症」は、肥満による動脈硬化で冠動脈が狭くなったり、詰まったりすることで起こる病気。もちろん、生死にかかわります。

肥満とかかわりの深い病気は多いので、人生を楽しむためにも、肥満対策は早く行いましょう。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)