右肘側副靱帯(じんたい)の損傷で離脱しているエンゼルス大谷翔平投手(23)は、6日(日本時間7日)のロイヤルズ戦後に右肘の張りを訴えた。降板前の4回表には下位打線に2者連続で四球を与えている。メジャーデビュー後、1イニングで2四球はあったが、2者連続は初めてだった。そのときの様子はどうだったのか? 四球で出塁したロイヤルズの打者2人に改めて聞くと、大谷の直球に「異変」が現れていたという。

 7番のドジャーは4回の第2打席で異変を感じ取った。「コントロールにばらつきがあった」と、制球の変化はもちろんあった。だが、「一番の違いは球速差だね」と証言する。第1打席で空振りした直球の球速は99マイル(約159キロ)と98マイル(約158キロ)だった。それが四球を選んだ第2打席では95マイル(153キロ)と5~6キロほどスピードが落ちていた。「これは何かあったんだろうな」と感じたという。

 続けて四球を選んだ8番ゴーインズも直球に異変を感じ取った。投ゴロに打ち取られた第1打席では「力強かった」と振り返る。第2打席では、4球連続でボールと明らかに制球にばらつきがあり、特に「直球のコントロールが悪かった」と強調した。

 球速と制球の違いはあるが、大谷自身が「一番の武器になる」と自信を持っていた直球の微妙な変化を、2人の打者は見逃していなかった。

 もっとも、大谷に見た目の変化はなかったという。マウンドでの表情についてドジャーは「変わらなかった」と答え、ゴーインズも「投げている時はずっと同じように見えたね」と、ケガを隠すなどのしぐさもなかったと明かした。むしろ「不完全ながら99マイル投げていたなら、それはものすごい」と舌を巻いた。

 大谷と対戦した選手を取材していると、よく「楽しい」との声を聞く。最高レベルの直球勝負にはメジャーの選手も燃えている。ドジャーは改めて「大谷と対戦できるなら、それはもう毎回楽しみだね」と言った。チームメートやファンだけではない。対戦相手も、大谷が完全に復活し、しびれるような勝負が再び出来ることを心待ちにしている。【MLB担当 斎藤庸裕】